Billie Holiday の "Strange Fruit" (1939)

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Billie Holiday

 映画"Billie"をミニシアターで観てきた。

 インタビューによるドキュメント映画だが、数曲、Billie Holiday の素晴らしいパフォーマンスが堪能できる。中でも"Strange Fruit"は圧巻である。

 ビリー・ホリデイにとって個人的闘争の唄である「奇妙な果実」(Strange Fruit)。

 この"Strange Fruit "(1939)は、唄ではなく写真から始まり、唄として結実したものだ。

 ブロンクスエイブル・ミーアポル(Abel Meeropol )は、公民権活動家・社会運動家ユダヤ系の高校教師だった。その彼が、人種差別の狂信的群衆によるリンチで犠牲となり、見世物として木にぶらさげられた二人の黒人男性が白人の見物人の群衆に囲まれている写真を見て驚愕し、"Strange Fruit"の元になる詩を書いた。

 その詩がビリー・ホリデーの注意を奪った。実は、その写真は北部のインディアナ州のマリオンで撮影された写真だったが、ビリーは深南部の人種差別の唄として歌った。

 ビリーは自分のレパートリーに取り入れ、コロンビアレコーズのライバルのコモドアーからリリースした。

 当時もそうだが、今日なおラジオであまり聞けない、かなり挑戦的な作品になっている。

 

 「奇妙な果実」について紹介しているサイトはたくさんある。

 以下は、そのうちのひとつ。ビリー・ホリデイの「奇妙な果実」の背後にある悲劇的意味。

www.grunge.com

映画"Billie"を映画館で観てきた

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"Billie"

 映画"Billie"をミニシアターで観てきた。

 かなり昔にジャズを聴き始め、Billie Holiday の レコードも数枚買い求めた。

 そのビリー・ホリデイ。"Strange Fruit"が1930年代のプロテストソングであることはもちろん知っていた。

 スタンダードになっている"God Bless the Child"は、Keith Jarrette Trioのヴァージョン*1が好きで愛聴していたが、Billie Holiday と Arthur Herzog Jr. による作なのにBillie Holidayの唄は聴いたことがなかった。

 今回の映画で、ビリー・ホリデイの母親から聞いていた教訓からヒントを得た唄だということを初めて知った。

 ビリー・ホリデイの44年間という短い生涯。ひとつの葛藤はジェンダーだろう。男性たちとの人間関係。女性たちとの人間関係。さらに、黒人のジャズバンドとは違って、白人のジャズバンドで歌うときの人種隔離政策(人種差別)との闘い。これは、ジャッキー・ロビンソンメジャーリーグでの闘いを髣髴とさせてくれた。

 もちろん本作ではBillie Holidayのパフォーマンスをいくつか見ることができる。それぞれすばらしいパフォーマンスだが、中でも本作の圧巻はなんといっても"Strange Fruit"である。

 アメリカ合州国KKKクー・クラックス・クラン)や日本の三光作戦など、俺が子どもの頃の少年雑誌でも、いつもではないけれど、たまに、そうした通常のメディアが報道しない話が載っていたことがあった。

 前者はアメリカ合州国の狂信的な白人至上主義団体だが、ビリー・ホリデイは、黒人に対する白人のリンチを唄に仕上げ、歌い上げた。これが有名な"Strange Fruit"である。

 映画"Billie"は、ビリー・ホリデイの闘いの唄としての傑作である"Strange Fruit"を聞くだけでも価値がある。

 

「「裏金」要求は自民関係者 泉田氏明言 対応しない県連問題視」

 以下、新潟日報(2021年12月1日)より。

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