2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

GE Chief: Nuclear 'hard to justify'

本日の朝日新聞に米GE「原発の正当化、難しい」という紹介記事があったので、インターネットで検索してみた。 情報源は「フィナンシャルタイムズ」だが、たまたまヒットしたCNNの報道から引用する。 福島第一原発の原子炉を建設した会社として知られるGE(ゼ…

「男はつらいよ 第48作 寅次郎紅の花」を観た

本作が「男はつらいよ」シリーズの最終作品になる。 リアルタイムで見た覚えがないが、あちこちで見たような既視感もある。 満男(吉岡秀隆)がバカな男を演じるが、男は身に覚えがあるものが多いだろうから、これは笑えない。なんといっても、男は「ぶざま…

「植木枝盛選集」の「解説」を読んだ

本文はまだ1ページも読んでいないが、「植木枝盛選集 (岩波文庫 青 107-1)」を購入した。 編集にあたった家永三郎氏の「解説」をはじめに読んだが、これがまことに含蓄のある名文であり、感心するほかなかった。文章の技術云々というのではなく、植木枝盛に…

初めて「福翁自伝」を読んだ

初めて「新訂 福翁自伝 (岩波文庫)」を読んでみたが、たいへん面白く読んだ。 言うまでもなく、福澤は幕末から明治にかけて生きた啓蒙思想家と言われている。アメリカ合州国を二度、ヨーロッパも含めて海外を見聞し、洋書・原書をたくさん読んで洋学をおさめ…

「『三酔人経綸問答』というのは、実は登場人物が四人なんです」(松永昌三)

「三酔人経綸問答 (岩波文庫)」を読んでみて、先日読み終えた「日本人は何を考えてきたのか 明治編 文明の扉を開く」の「福澤諭吉と中江兆民」の第一章をあらてめて再読してみた。 次の松永昌三氏の見解は、桑原武夫も同様の解釈を解説で述べていた。 これは…

中江兆民の「三酔人経綸問答」を初めて読んだ

桑原武夫・島田虔次による現代語訳だが、中江兆民の「三酔人経綸問答 (岩波文庫)」(1887年)を初めて読んだ。 この「三酔人」とは、本書に登場する「洋学紳士」と「豪傑君」、「南海先生」の三人のことで、彼らが酒を飲みながら問答をする中で日本のあり様が…

鹿野政直著「近代日本思想案内」を読んだ

勉強はかならずしも嫌いではなかったけれど、受験勉強となると途端にやる気をなくす”不真面目”な高校時代だった。それでも自分なりに好きで一番勉強したのが英語だった。その次に自分なりに勉強したのが、入試のせいもあって日本史だったと思う。一番興味が…

「男はつらいよ」第45作「寅次郎の青春」を観た

冒頭の夢の場面は、「姿三四郎」のオマージュか。 前々作と前作に続いて、及川泉(後藤久美子)と満男(吉岡秀隆)の話。 床屋の女主人、蝶子役の風吹ジュンがいい。 床屋で髪を切ってもらうときは、本当にくつろげる時間だ。 寅さんと泉が再会する場面や、…

「男はつらいよ」第44作「寅次郎の告白」を観た

第43作に続いて、及川泉(後藤久美子)と満男の話。「満男篇」第3弾。 満男の存在によって、さくらとひろしが普通の夫婦にありがちな息子の悩みを抱える。 泉の就職が話題になるとき、寅さんが泉の就職についてアリアで語る。ああした時間が井上ひさしのいう…

「男はつらいよ」第43作「寅次郎の休日」を観た

以前見たことのある「男はつらいよ」第43作「寅次郎の休日」を久しぶりに観た。「満男篇」第2弾。 第42作に登場した満男の高校時代の後輩である及川泉(後藤久美子)が再び登場する本作では、泉の母親役として夏木マリが及川礼子を熱演している。夏木マリと…

原発再稼働反対の抗議行動報道

本日の朝日新聞一面に原発再稼働に反対する抗議行動の写真が掲載された。 写真キャプションは以下の通り。 原発再稼働に反対する抗議行動は20日も開かれ、9万人(主催者発表)が集まった。手描きのポスターなどを手に、子どもからお年寄りまでが脱原発を訴え…

「線量計に鉛板、被爆隠し」

本日の朝日新聞一面に「線量計に鉛板、被爆隠し 福島原発復旧 東電下請けが指示」という記事が載っている。「下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射能の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった」という報道だ。「役員は指…

「大飯・志賀 断層再調査へ」

7月18日の朝日新聞が、「大飯・志賀 断層再調査へ 活断層なら停止・廃炉」と、一面で報じている。 17日に開かれた専門家会合で、「活断層の専門家に見せたらあぜんとするだろう」「まったく理解できない」など、審査の甘さを指摘する声が相次ぎ、「再調査を…

さようならかな、朝日新聞

昨日は、たまたま所用があって、「さようなら原発10万人集会」に参加できなかった。 私の友人・知人は結構集会に参加していたし、私自身も集会に誘われたけれど、所用があって参加できなかった。 残念ながら集会には参加できなかったのだが、瀬戸内寂聴さん…

「日本産原発建設 国民投票実施へ リトアニア国会」

7月17日付の朝日新聞によると、「リトアニアの国会は16日、日立製作所が建設を受注する見通しのビザビナス原発について、建設の賛否を問う国民投票を実施することを賛成多数で決めた」と報じている。 「10月14日の国会議員選に合わせて投票する」という。 共…

「しみじみ日本・乃木大将」を観てきた

井上ひさし作・蜷川幸雄演出の「しみじみ日本・乃木大将」を観てきた。

井上ひさしさんの「ふかいことをおもしろく」を大変面白く読んだ

本書は、2007年にテレビで放送された番組をもとに原稿を作成し、単行本化したものだという。 字が大きくて簡単に読めるが、たいへん面白い。 井上ひさしさんの父親のこと、母親のこと、戦争体験こと、笑いのこと、創作のこと、劇づくりのことなどがわかる入…

「価値観すり合わせ 第三の道を開く 対話の言葉磨こう」

7月5日付の朝日新聞の「インタビュー」の欄で、「政治と言葉」について、劇作家の平田オリザさんのインタビューが載っていた。 「会話」と「対話」は違うものですかという質問に対して、平田さんは、「会話」は「親しい人同士のおしゃべり」、「対話」は「異…

「多面体としての人間」

井上ひさしさんの宮澤賢治論*1で繰り返し言われていることのひとつは、賢治自身が宗教者であり、科学者であり、芸術家であるということだ*2。 あれこれ引用したいのだが、長くなるので、たとえば、「この人から受け継ぐもの」所収の「ユートピアを求めて ー…

井上ひさしさんの講演「賢治の世界」は面白い

1993年9月11日、12日の両日、一関市で開かれた3回にわたる講演をまとめた「宮澤賢治に聞く (文春文庫)」所収の講演「賢治の世界」はすこぶる面白い。 いろいろと引用したくなる箇所が多いが、またの機会としたい。 「宮澤賢治に聞く」は、宮澤賢治入門書とし…

「演劇‐時間のユートピア」

井上ひさしさんの「この人から受け継ぐもの」の中でも、とびきり興味深かったのは、「演劇‐時間のユートピア」という一文だ。 井上ひさしさんは、「じつは、これはぼくがひそかに思っていることですが、宮沢賢治が長生きをして芝居を書くとすればこういうの…

「真の文明は山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」(田中正造)

まだ全部を読み終えてはいないのだが、「日本人は何を考えてきたのか 明治編 文明の扉を開く」(NHK出版)を読んでいる。 高校時代に習った足尾銅山鉱毒事件を糾弾し続けた田中正造の次の言葉は、約100年後の福島第一原発事故を予言しているかのようだ*1。 …

膠着語である日本語の特質に合致した宮澤賢治の「雨ニモマケズ」

井上ひさしさんの「宮澤賢治に聞く (文春文庫)」を読んでいたら、「日本の、すぐれた詩人がみなそうであるように、宮澤賢治もまた第一級の日本語の使い手であった、ということに思い当ったのは、昨年(一九七六年)の春、オーストラリア国立大学で<客員教授…

夏目漱石の「私の個人主義」を再読した

漱石の「私の個人主義 (講談社学術文庫)」を再読した。 漱石の「私の個人主義」は、1914年(大正3年)に学習院大学でおこなわれた漱石の講演記録であり、これを私は高校生のときに読んだ。再読といっても高校生のときに読んだものだから、当然のことだが、今…

井上ひさしさんの「宮澤賢治に聞く」を読んだ

宮澤賢治の「雨ニモマケズ」は、子どもの頃住んでいたボロ家に、父親が賢治の詩を壁に貼っていたから、「雨ニモマケズ」の詩は子どもの頃から知っていた。賢治の妹が亡くなったとき詠まれた「永訣の朝」は、俺が高校1年か高校2年のときの国語の教科書に載っ…

井上ひさしさんの「この人から受け継ぐもの」を読んだ

こんな断片的な思い出話では井上ひさしさんに迷惑だろうが、俺が10代の頃にテレビでやっていた「ひょっこりひょうたん島」や浅草のストリップ劇場でコントを書いていたエピソードや、映画の話など、井上ひさしさんに興味がないわけではないが、大の井上ひさ…

「政治生命をかけるべきもの」

残念ながら、写真を見たことも書かれたものを読んだこともないけれど、作家で写真家の藤原新也さんが「水俣病、そして原発事故」と題して、7月4日の朝日新聞に書かれていた。 『「3・11」から後、あらためて水俣病が注目されている』との書き出しで、水俣病…

今日はアメリカ革命236周年の記念日

7月4日(The Fourth of July)は、アメリカ革命の記念日。 アメリカ革命は1776年のことだから、236周年のことになる。 30年以上も前のことだが、私もアメリカ独立宣言ゆかりの地、フィラデルフィアや、ボストンのfreedom trailを歩いたことがある。 福澤諭吉…