70s

映画「ミルク 」を観た

映画「Milk」を観た。 私はかけだし英語教師の頃の1981年から1982年にかけて半年間サンフランシスコに住んでいたことがあるので、当時のカストロ通り(Castro Street)がゲイのメッカ*1であることは経験的に知っている。にもかかわらず、全く恥ずかしいこと…

Talking Heads の "Cities"(1979)

自分がかけだし英語教師のころ、すでに他界されてしまったのだが、歌の歌詞や映画のセリフについて個人的に習っていた家庭教師からTalking Headsを勧められたことがあった。近所に住んでいたといっても車で出かけないといけない距離だったが、その音楽好きの…

CSNYの映画「Déjà Vu」がいよいよ全米で上映される

ベトナム戦争が泥沼化していった70年代。反戦の声の高揚の中でその時代精神を象徴する唄となった”Ohio”, “Find the Cost of Freedom”。それらを歌った時代のアイコンとしてのCSNY(Crosby, Stills,Nasn & Young)が、60年代、70年代を越えて、今度はイラク戦争…

「見た目よりも深い内容がある」という意味のThere’s more to〜than meets the eye

これは英語に限らないことだが、易しいコトバでも深い内容をあらわすことが、コトバの世界には少なくない。 コトバには、直接的で狭い意味とそこから派生した間接的で広義の意味とがあり、いわば多重構造になっているからやっかいで、またそこが面白かったり…

久しぶりに「アリ 英雄の伝説」を観た

最近おこなわれたボクシングのフライ級タイトルマッチで、挑戦者の闘い方に問題ありということでニュースが賑わっているけれど、久しぶりに「アリ 英雄の伝説」を観てみた。これは、6本からなるMuhammad Ali: The Whole Story*1という題名のビデオだ。 日本…

Neil Young Under Review 1966-1975を観た

NEIL YOUNG/UNDER REVIEW 1966-1975 [DVD]を入手して観た。 全編、ニールヤングのパフォーマンスは解説のために少しずつ触れる程度しかなく、むしろ評論家の解釈や評価が語られるのが主のDVDである。 登場する評論家らは以下の通り。 John Einarson, Robert …

久しぶりに高田渡の「ごあいさつ」を聞いた

1971年6月に発売になった高田渡の「ごあいさつ」は、名曲ぞろいの名盤だ*1。 はっぴいえんどがバックをつとめる「失業手当」「自転車にのって」「銭がなけりゃ」「生活の柄」とともに、アコースティックギター一本で弾き語る「ごあいさつ」「アイスクリーム…

参議院選挙の争点は、平和と格差と貧困

シバの詩と曲だが、加川良の「教訓」に収録されている「悲しい気持ちで」は、いい唄だ。 貧困の真っ只中で、若者の自立をテーマにしているこの唄を、今を生きる多くの若者に聞いて欲しい。 いくら 歩いても いくら 歩いても 悲しい気持ちは かわらない ああ …

久しぶりに加川良の「教訓」を聞いた

久しぶりに加川良の「教訓」を聞いた。1971年6月に発売されたアルバム「教訓」は当時の私の愛聴盤だった*1。 戦争、貧困、銭の力、自立など、今の時代にも通じる重要なテーマが唄われている*2。 冒頭の「教訓Ⅰ」は、まさに今日でも学ぶべき教訓になっている…

ニールヤングの70年代のレコード紹介はちょっと中断

今回、アーカイブからのライブ盤の発売から、昔リアルタイムで聞いていた70年代のニールヤングを、Johnny Roganの書いた”Neil Young”という本を参考にしながら、少しだけ紹介してきた。 “Everybody Knows This Is Nowhere,” “After the Gold Rush,” “Harvest…

アーカイブシリーズやブートレッグのもつ意味

1970年から1971年にかけてニールヤングがアコースティックのソロツアーをおこなった理由の一つに椎間板の病気があった。病気のせいで、エレキギターももてないほどで手術が必要だった。 そのソロツアーでは、A Man Needs A Maid、Old Man、The Needle and th…

ニールヤングのHarvestというアルバム

「Harvestは、これまでつくってきた中でおそらく一番洗練されたレコードだと思うけど、自分にとってはこれは本当に限定された形容詞なんだ。本当に洗練されている、でもそれだけ」( “I think Harvest was probably the finest record that I’ve made, but th…

1971年のニールヤング

1970年のクレイジーホースとのライブ、そして1971年のソロツアーからマッセイホールのライブと、ニールヤングのアーカイブからCDとDVDが発売中だ。 こんなに続けるつもりはなかったのだけれど、ニールヤングのレコードは高校時代によく聴いた思い入れもあっ…

Neil Youngの三枚目After the Gold Rush

After the Gold Rush ニールヤングの三枚目であるAfter the Gold Rushで話題となった曲は何と言ってもSouthern Manだろう。言うまでもなく、これはアメリカ合州国南部の人種差別を糾弾した唄である。 このモチーフがどこから来たのか私は知らなかったがウィ…

1970年のニールヤング

今回出たニールヤングとクレイジーホースのLive at the Fillmore Eastは、1970年の1月から3月にかけてのNeil Young & Crazy Horseのツアーからのものだった。 その後、70年3月から4月にかけて、After the Gold Rushのレコーディングセッションをおこない、5…

ケント州立大学射殺事件に抗議してOhioを書く

ニールヤングが、1969年1月に一枚目のソロアルバムNeil Youngを出し、Crazy Horseとの運命的出会いを経て、5月にはソロ二枚目のEverybody Knows This Is Nowhereを出したことは昨日書いた。 8月にはCSNYとしてウッドストックフェスティバルに参加し、1970年1…

今回のライブはCrazy Horseとの運命的出会いから1年後のライブだ

今回出されたLive at the Fillmore East (W/Dvd)は、ニールヤングとクレイジーホースにとって、どういう位置にあたるのか。Johnny Rogan著のNeil Young: Zero to Sixtyを参考にしながら、少し整理してみた。 1969年の1月にソロアルバムNeil Youngを出す以前…

Neil Young & Crazy Horse At the Fillmore East March 6&7 1970を購入した

ニールヤングのアーカイブ第一弾を入手した。昨年の11月に発売されたものだが、購入しないでいたものだ。例のMassey Hallのものがあまりにも良かったから、こちらも購入してみた。 一回だけ聞いてみた感想は、ボーカライゼーションは、断然マッセイホールの…

A Man Needs A Maidという唄はmale chauvinisticな唄なのか

Harvest 私が高校生の頃に初めてHarvestを聞いたときに納得いかなかったのが、A Man Needs A Maidの歌詞だった。女性解放(women liberation)の時代の幕開けにあたって、その詞に男性優位主義(male chauvinism)を感じ取れたから、なんとも古臭い感じがしたの…

1971年のNeil Youngに出会えた

Live at Massey Hall ということで、1971年のニールヤング(Neil Young)に会うことができたのだが、画質こそそれほど良くないものの、私のような長年のファンにとっては、これは感動モノのとても嬉しい画像であった。 カナダ出身のフォークシンガーであったニ…

Live at Masseyの輸入版DVDはリージョンフリーだ

ニールヤング(Neil Young)のLive at Massey Hall (W/Dvd)が、NYA(Neil Young Archives) PS(Performance Series)の第二弾として発売されたことは昨日書いた。 このCDにはDVD付きとCDだけのヴァージョンとがあり、とりあえず私はDVD付きのものを購入しておいた…

Live At Massey Hall 1971を入手して聴いた

ニールヤング(Neil Young)のLive at Massey Hall (W/Dvd)が、NYA(Neil Young Archives) PS(Performance Series)の第二弾として発売された。 “This is the album that should have come out between After the Gold Rush and Harvest. David Briggs, my produ…

アルバム"Paul Simon"の"Congratulations"(1972)

Patrick Humphriesの書いた本によれば、アルバムPaul Simonの最後の曲、Congratulationsは、Little Anthony & the Imperialsの1958年のヒット曲”Tears On My Pillow”から拝借しているという。 このヒット曲の歌詞を調べてみたら、どうやら”Love is not a gad…

アルバム"Paul Simon"の"Peace Like A River"(1972)

Patrick Humphriesの”Paul Simon still crazy after all these years”の中で、’Peace Like A River’について次のように書かれている。 “‘Peace Like A River’ recalls ‘The Only Living Boy in New York’, but can now be appreciated as a trailer for ‘Ame…

アルバム"Paul Simon"の中の"Run That Body Down"(1972)

アルバムPaul Simonの中のRun That Body Downは、結婚など、ポールサイモンの自叙伝的な内容を含んでいるようだ。 How long you think that you can run that body down? How many nights you think that you can do what you been doin’ どれくらい長く身体…

アルバム"Paul Simon"の中のMe and Julio Down by the Schoolyard(1972)

“Me and Julio Down by the Schoolyard”は、歌詞のもっていき方、演出の仕方が、Randy Newmanの”Mama Told Me Not To Come”のような唄だ。 「法律違反だ それは法律違反だった ママが見たもの それは法律違反だった」(It’s against the law It was against t…

アルバム"Paul Simon"の中のStephane Grappelli

ジャンゴラインハルトとともに演奏した経歴をもつStephane Grappelliの演奏がアルバムPaul Simonに収められている。Hobo's Bluesという一曲だ。 もちろん彼がヴァイオリンを弾き、Paul Simonがギターでリズムを刻んでいる。演奏としてはステファン・グラッペ…

"Paul Simon"の "Duncan"(1972) という唄

Patrick Humphries の ’Paul Simon still crazy after all these years’を読んでいて、アルバムPaul Simonの二曲目『ダンカン』について次のようにあった。 Originally planned as the title track, ‘Duncan’ was another striking song, which again displa…

Paul Simonによる"Paul Simon"(1972)というアルバム

これはPatrick Humphriesの”Paul Simon still crazy after all these years”に書いてあったことで、先日読んだばかりなのだが、Paul Simonというアルバムのテーマは死から逃れることはできないという運命だ。 The album’s opening track and first single, ‘…

Paul Simonのソロ一枚目"Paul Simon"(1972)

Paul Simonのソロアルバムの中での私のお薦めの一枚は1972年のPaul Simonだ。 これは、S&Gが解散してからポールサイモンのソロ第一弾であり、Robert ChristgauがそのRecord Guideでかつて次のように書いたことが印象的だった。 I've been saying nasty thing…