Inoue

井上ひさしさんの「太鼓たたいて笛ふいて」を観てきた

パンフレットを読むと、こまつ座の「太鼓たたいて笛ふいて」の上演は、2002年・2004年・2008年とあり、今回が4回目の再演になるという。 前回わたしが観たのは、2008年。 前回の公演から6年の歳月が経ち、その間に、東日本大震災、福島第一原発事故、特定秘…

「映画をたずねて 井上ひさし対談集」を読む

ちくま文庫の「映画をたずねて 井上ひさし対談集」を読んだ。 これは題名のとおり、井上ひさしさんの対談集で、相手は、黒澤明、山田洋次、渥美清、小沢昭一、高峰秀子と、とても面白い対談集なのだが、これまでつまみ食い的に読んでいて、読了していなかっ…

井上ひさし作「ムサシ」

井上ひさしの「ムサシ」の単行本には、その帯に、「井上ひさしの遺志を伝える最高傑作」とある。 井上ひさしの劇を全部観ているわけではないけれど、俺は比較的観ているほうだろう。 それで、この「最高傑作」という評価に特別異論はない。 死んだ者が生きて…

「ムサシ ロンドン・NYバージョン」を観てきた

井上ひさし作・蜷川幸雄演出の「ムサシ ロンドン・NYバージョン」を観てきた。 「ムサシ」は今回2回目の観劇だから、細部は別にしてあら筋はわかっていた。竹林などの舞台芸術や音楽に至るまで、「ムサシ」という作品の素晴らしさはわかっていたから、今回の…

「それからのブンとフン」を観てきた

井上ひさし作、栗山民也演出の音楽劇「それからのブンとフン」を観てきた。 こまつざ座&ホリプロ公演。 大友憤(市村正親)、ブン(小池栄子)、山西惇さんらが出演。

こまつ座の「うかうか三十、ちょろちょろ四十」を観てきた

井上ひさし作、鵜山仁演出、「うかうか三十、ちょろちょろ四十」を観てきた。

「木の上の軍隊」を観た

井上ひさし原案、蓬莱竜太作、栗山民也演出の「木の上の軍隊」を観た。 こまつ座&ホリプロ公演。 出演は、藤原竜也、山西惇、片平なぎさで、沖縄の激戦地であった伊江島での物語。 2年間戦争が終わったことを知らなかった二人の兵士の物語。俺は浅学で知ら…

大竹しのぶの「まあいいか」

朝日新聞で、女優の大竹しのぶさんの「まあいいか」というコラムが始まっている。 4月12日付のコラムで、井上ひさしさんのことについて、大竹さんが触れられていた。 次の箇所はおかしく、ほほえましい。 11年前、林芙美子の生涯を私が演じた井上さんの「太…

紀伊国屋演劇賞に「こまつ座」

昨日の朝日新聞で、「こまつ座」が紀伊国屋演劇賞に選ばれたという記事を読んだ。 井上ひさしさんの三女で現在の「こまつ座」社長の井上麻矢さんが次のように語っていた。 私が担当した2009年春、こまつ座の経理はぼろぼろでした。 「社長だった父に潰すか問…

井上ひさし作「芭蕉通夜舟」を観てきた

こまつ座公演、坂東三津五郎主演の「芭蕉通夜舟」を観てきた。 これ、ほぼ一人芝居。 初演は、小沢昭一だったようだ。小沢昭一の「芭蕉通夜舟」も観てみたかった。

「しみじみ日本・乃木大将」を観てきた

井上ひさし作・蜷川幸雄演出の「しみじみ日本・乃木大将」を観てきた。

井上ひさしさんの「ふかいことをおもしろく」を大変面白く読んだ

本書は、2007年にテレビで放送された番組をもとに原稿を作成し、単行本化したものだという。 字が大きくて簡単に読めるが、たいへん面白い。 井上ひさしさんの父親のこと、母親のこと、戦争体験こと、笑いのこと、創作のこと、劇づくりのことなどがわかる入…

「多面体としての人間」

井上ひさしさんの宮澤賢治論*1で繰り返し言われていることのひとつは、賢治自身が宗教者であり、科学者であり、芸術家であるということだ*2。 あれこれ引用したいのだが、長くなるので、たとえば、「この人から受け継ぐもの」所収の「ユートピアを求めて ー…

井上ひさしさんの講演「賢治の世界」は面白い

1993年9月11日、12日の両日、一関市で開かれた3回にわたる講演をまとめた「宮澤賢治に聞く (文春文庫)」所収の講演「賢治の世界」はすこぶる面白い。 いろいろと引用したくなる箇所が多いが、またの機会としたい。 「宮澤賢治に聞く」は、宮澤賢治入門書とし…

「演劇‐時間のユートピア」

井上ひさしさんの「この人から受け継ぐもの」の中でも、とびきり興味深かったのは、「演劇‐時間のユートピア」という一文だ。 井上ひさしさんは、「じつは、これはぼくがひそかに思っていることですが、宮沢賢治が長生きをして芝居を書くとすればこういうの…

膠着語である日本語の特質に合致した宮澤賢治の「雨ニモマケズ」

井上ひさしさんの「宮澤賢治に聞く (文春文庫)」を読んでいたら、「日本の、すぐれた詩人がみなそうであるように、宮澤賢治もまた第一級の日本語の使い手であった、ということに思い当ったのは、昨年(一九七六年)の春、オーストラリア国立大学で<客員教授…

井上ひさしさんの「宮澤賢治に聞く」を読んだ

宮澤賢治の「雨ニモマケズ」は、子どもの頃住んでいたボロ家に、父親が賢治の詩を壁に貼っていたから、「雨ニモマケズ」の詩は子どもの頃から知っていた。賢治の妹が亡くなったとき詠まれた「永訣の朝」は、俺が高校1年か高校2年のときの国語の教科書に載っ…

井上ひさしさんの「この人から受け継ぐもの」を読んだ

こんな断片的な思い出話では井上ひさしさんに迷惑だろうが、俺が10代の頃にテレビでやっていた「ひょっこりひょうたん島」や浅草のストリップ劇場でコントを書いていたエピソードや、映画の話など、井上ひさしさんに興味がないわけではないが、大の井上ひさ…

井上ひさし作「藪原検校」を観てきた

井上ひさし作、こまつ座、栗山民也演出、「藪原検校」を観てきた。 野村萬斎が薮原検校を襲名する前の杉の市を演じ悪と欲望を表現する。小日向文世が演じる塙保己市が、大衆が欲するであろう魔女狩り的処刑を権力者に対して冷徹に提示するところが凄い。 初…

井上ひさし作「闇に咲く花」を観た

井上ひさし作、栗山民也演出のこまつ座公演「闇に咲く花」を観てきた。 この舞台を見るのは、2回目。 さまざまな要素が織り成してドラマが展開していくのだが、テーマのひとつに、神道があり、神社という場をめぐっての対立・葛藤が描かれる。たとえば、キリ…

井上ひさし作、こまつ座の「雪やこんこん」を観てきた

中村梅子役の高畑淳子さんと佐藤和子役のキムラ緑子さんのかけ合いが見事。キムラ緑子さんの演技が秀逸。村田雄浩さんや新井康弘さんらが脇を固める。 大衆演劇の旅役者の物語。旅役者らしい台詞のオンパレード。食えない苦労もあるが、お客さんの笑顔が役者…

井上ひさしさんの「十一ぴきのネコ」を観てきた

馬場のぼるさんの絵本「11ぴきのねこ」を原作として、人形劇と舞台版にした井上ひさしさんのミュージカル作品・「十一ぴきのネコ」。 今回初めて見たが、これはなかなかすごい作品である。子どもも楽しめるが、大人が観るべき内容の深さがある。どちらかとい…

井上ひさしさんの朗読劇「水の手紙」「少年口伝隊一九四五」を見てきた

井上ひさしさんの追悼公演で、朗読劇「水の手紙」「少年口伝隊一九四五」を観てきたというのか、聞いてきた。 井上ひさしさんが亡くなったということを、今年の4月、仕事の関係でホテルに泊まらなければならなくなり、夜遅くにチェックインしたときに知った…

ムサシを観てきた

井上ひさし脚本、蜷川幸雄演出、藤原竜也さん・勝地涼さん主演の「ムサシ」を観てきた。 素晴らしい舞台だった。

井上ひさしさんが9日に逝去

モッキンポット師の後始末 劇作家の井上ひさしさんが9日に亡くなったと知った。 75歳だった。 井上ひさしさんといえば、わたしが子どもの頃に、「ひょっこりひょうたん島」でお世話になった。わたしばかりでない。「くじけちゃいけない、笑っちゃお。進め、…

井上ひさしさんの「組曲 虐殺」を観た

組曲虐殺 こまつ座&ホリプロ公演「組曲 虐殺」を観た。 今回は小林多喜二をテーマに、ピアノは小曽根真さん。多喜二役に井上芳雄さん、ヒロインに石原さとみさん、多喜二の姉の役に高畑淳子さん他。

井上ひさしさん作の「きらめく星座 −昭和オデオン堂物語―」を観た

「きらめく星座」をはじめて観た。井上ひさしさんによって書かれた素晴らしい作品だった。戯曲としてよくできている。力のこもった井上作品の一本だと思う。 昭和15年、浅草の小さなレコード店「オデオン堂」を舞台に、そこに集う人々を描くことを通じて、あ…

井上ひさしさんの「太鼓たたいて笛ふいて」を観てきた

大竹しのぶさんが演じる作家・林芙美子の半生記、「太鼓たたいて笛ふいて」を観て来た。

井上ひさし作の「闇に咲く花」を観てきた

戦後の空気感を出している見事な劇だった。

井上ひさしさんの「父と暮せば」を観てきた

こまつ座の「父と暮せば」を観た。 黒木和雄監督、宮沢りえ・原田芳雄主演のDVDがあり、この映画は素晴らしいけれど、こまつ座の劇を観たのは初めてだった。 この井上ひさしさんの作品は、あらためて日本人として書くべき作品だったと思った。また、話として…