Yamada

「続・男はつらいよ」は傑作である

「続・男はつらいよ」は、高校生のとき、高校の恒例であった映画祭で観た。 俺の通っていた高校では、毎年映画祭をやっていた。そのとき、1本は必ず「男はつらいよ」を上演していた。まだギネスに載る前の話である。もう1本は、「戦艦ポチョムキン」や「道」…

山田洋次監督の映画「息子」を久しぶりに観た

「映画監督50周年記念企画」として山田洋次監督の名作映画DVDマガジンが発行されている。 Vol.8の映画「息子」の紹介としては、「バブル絶頂期に描かれたもうひとつの『東京家族』」と書いてあるが、これはなかなか的確なコピーだ。映画「息子」は前に見たこ…

映画「東京家族」を観てきた

昨日封切りになった映画「東京家族」を観てきた。 話の基本は小津安二郎の「東京物語」を踏襲している。 監督歴50年になる山田洋次の作品。 あの3・11で製作は延期された。 吉行和子と橋爪功、妻夫木聡が好演している。 派手さは全くないが、たいへん丁寧に…

山田洋次監督の「名作選 3」を買い求めた

「名作選 3」は、「学校」「学校2」「学校3」「十五才 学校4」の4作品を集めたもの。 それぞれは、今まで見たことがあるが、学校観、教育観を深めたいと思い、あらためて購入してみた。

「男はつらいよ 第48作 寅次郎紅の花」を観た

本作が「男はつらいよ」シリーズの最終作品になる。 リアルタイムで見た覚えがないが、あちこちで見たような既視感もある。 満男(吉岡秀隆)がバカな男を演じるが、男は身に覚えがあるものが多いだろうから、これは笑えない。なんといっても、男は「ぶざま…

「男はつらいよ」第45作「寅次郎の青春」を観た

冒頭の夢の場面は、「姿三四郎」のオマージュか。 前々作と前作に続いて、及川泉(後藤久美子)と満男(吉岡秀隆)の話。 床屋の女主人、蝶子役の風吹ジュンがいい。 床屋で髪を切ってもらうときは、本当にくつろげる時間だ。 寅さんと泉が再会する場面や、…

「男はつらいよ」第44作「寅次郎の告白」を観た

第43作に続いて、及川泉(後藤久美子)と満男の話。「満男篇」第3弾。 満男の存在によって、さくらとひろしが普通の夫婦にありがちな息子の悩みを抱える。 泉の就職が話題になるとき、寅さんが泉の就職についてアリアで語る。ああした時間が井上ひさしのいう…

「男はつらいよ」第43作「寅次郎の休日」を観た

以前見たことのある「男はつらいよ」第43作「寅次郎の休日」を久しぶりに観た。「満男篇」第2弾。 第42作に登場した満男の高校時代の後輩である及川泉(後藤久美子)が再び登場する本作では、泉の母親役として夏木マリが及川礼子を熱演している。夏木マリと…

「男はつらいよ」第27作「浪花の恋の寅次郎」を観た

新米英語教師の頃に多分リアルタイムで観た「浪花の恋の寅次郎」を再び観た。 マドンナは美人芸者ふみ役の松坂慶子さん。脇を、正司照枝・花江・芦屋雁之助・笑福亭松鶴・大村崑らが固める。 もともと関西・大阪が苦手の寅次郎が、美人芸者に惚れて惚れられ…

「男はつらいよ」第7作「奮闘篇」を観た

これも前に観たことがあるが、「男はつらいよ」第7作「奮闘篇」を観た。 おいちゃん役の森川信がおかしい。 ミヤコ蝶々が寅さんの母親役で「続・男はつらいよ」(1969年)に続いて再登場。ミヤコ蝶々は名女優だ。 はなこ役で榊原るみ。警官(大塚弘)と寅次…

「男はつらいよ」第13作「寅次郎恋やつれ」を観た

この作品は前に観たことがあるのか、記憶が定かではない*1。 マドンナ役は吉永小百合が2年ぶりの再登場。 宮口精二がコミュニケーション不全症候群の父親役を好演している。この不器用さは、博の父親役の志村喬と同様だが、宮口精二演じる父親のほうが症状と…

「男はつらいよ」第9作「柴又慕情」を観る

これも何度か観た「柴又慕情」。 冒頭の「貸間あり」の場面から不動産屋めぐりをする寅次郎が可笑しい。不動産屋役の佐山俊二は名脇役を演じている。そして、なんといっても自分たちの家を建てようとする博とさくらの気持ちが泣かせる。 マドンナは歌子役の…

「男はつらいよ」第22作「噂の寅次郎」を観た

これも前に観たことがあるが、「噂の寅次郎」を観た。 博の父親役の志村喬(諏訪颷一郎)が旅先で寅さんと出会い、寅さんに今昔物語を話題にして諭す。この場面は秀逸。「大人物は反省して去ったか」と寅次郎には迷惑と感じながらも心を許す。志村喬は名優だ…

「男はつらいよ」第14作「寅次郎子守唄」を観た

これも前に観たことがあるが、「寅次郎子守唄」を観た。 マドンナは十朱幸代。 月亭八方、春川ますみ、上條恒彦が脇をかためる。 1974年公開作品。

「男はつらいよ」第16作「葛飾立志篇」を観た

これも前に観たことがあるが、「男はつらいよ」第16作「葛飾立志篇」を観た。 その昔、旅先で腹を空かせた寅さんが桜田淳子演じる女学生の母親・雪の食堂で世話になりご飯をご馳走になる体験をしみじみ語る寅さんのアリア。誰しも聞き覚えのある話であり、説…

「男はつらいよ」第12作「私の寅さん」を観た

これも前に観たことがあるが、「男はつらいよ」第12作「私の寅さん」を観た。 マドンナは画家役の岸恵子。兄役に前田武彦。 今回のテーマのひとつは芸術論。絵を描いていて気に入った作品は売りたくない、気に入らない作品はさらに売りたくないと岸恵子が語…

「男はつらいよ」第15作「寅次郎相合傘」を観た

これも前に観たことがあるが、「男はつらいよ」第15作「寅次郎相合傘」を観た。 マドンナは浅丘ルリ子。有名なメロン騒動が入っている。 1975年公開作品。

「男はつらいよ」第10作「「寅次郎夢枕」を観た

本作も前に見たことがあるが、マドンナは八千草薫。寅さんの幼なじみとして登場。 田中絹代や大学の先生役の米倉斉加年が脇をしっかりと固めている。 第10作では、寅さんの「男はつらいよ」の気持ちを米倉斉加年が体現して一目惚れ、寅さんが恋愛感情をつな…

「男はつらいよ」第11作、「寅次郎忘れな草」を観た

第11作はもちろん前に観たことがあるが、冒頭のピアノ騒動が悲しい。 浅丘ルリ子演じるリリーが初出演。旅回りの歌い手として「港が見える丘」を歌う。 旅先は、北海道。 夜汽車の背もたれが昔懐かしい木製の奴だ。 柴又の実家の寅さんの部屋でon the road(…

「山田洋次の<世界>」を読んだ

購入してそのままにしてあった切通理作氏の「山田洋次の<世界>」を読んだ。 読んでみたら、たいへん読み応えのある面白い本だった。 本書は、さまざまな視点から冷静に分析している本であるが、以下の筆者の山田洋次監督に関する評価は同感である。 常に『…

山田洋次監督の「学校2」を久しぶりに観た

たかし役の吉岡秀隆さんとゆうや役の神部浩さんの演技が素晴らしい。 西田敏行、永瀬正敏の教師役もいい。 養護学校が舞台の話だが、たかしとゆうやが激しく取っ組み合いをしているところで北海道の雪景色を背景に熱気球がゆっくりと出てくるところにユーモ…

山田洋次監督演出の舞台「東京物語」を観てきた

東京物語 新派劇「東京物語」を観てきた。 小津安二郎の映画「東京物語」は、広島の尾道と東京。その東京も、長男夫婦や長女夫婦の家、そして次男は戦死してしまった次男夫婦のアパートと、場所が変わるが、今回の劇は長男夫婦の家だけに絞られて舞台が展開…

「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」を眺めてみた

山田洋次監督は、50年間、映画をつくり続けてきて、今80歳。映画会社専属の映画監督もめずらしくなったが山田洋次監督はそうした一人。 その山田洋次監督が選んだ日本の名作100本という企画本で、本編では、「家族編50本」が選ばれている。 ぱらぱら眺めてい…

山田洋次監督の「学校」を久しぶりに見た

「学校」は、1993年の作品。 学生時代から山田洋次監督の映画は好きだったが、この頃は仕事も忙しく(今も変わらないが)映画館に出かける時間的余裕がなかった。職場の社会科の先輩に、まだ見ていないのか、映画くらい見る余裕を持てと言われた記憶がある。…

山田洋次監督の「おとうと」を観た

おとうと 山田洋次監督の映画「おとうと」を観た。

「男はつらいよ」第36作「柴又より愛をこめて」を観た

第36作寅さんのマドンナは再度、栗原小巻。式根島でのロケ。 タコ社長の娘・あけみと寅さんとの旅。 「二十四の瞳」のオマージュでもある本作品は、栗原小巻扮する小学校の先生に自転車を贈る同窓会の場面が出てくる。 調布から式根島に飛ぶセスナの場面は、…

「男はつらいよ」第20作「寅次郎頑張れ!」を観た

青年良介(中村雅俊)と幸子(大竹しのぶ)の恋愛の手ほどきをする寅次郎。良介の姉の藤子(藤村志保)に惚れてしまう。 幸子役の大竹しのぶが好演している。大竹しのぶさんは将来性のある俳優で、嘱望されていたということがよくわかる。 1977年公開作品。

「男はつらいよ」第8作、「寅次郎恋歌」を観た

マドンナは、貴子役の池内淳子。 本作では、さくら(倍賞千恵子)が、「母さんの唄」を歌う場面が秀逸。 また母親の葬式の場面で、母を思う博(前田吟)が好演している。 それに、博の父親役・諏訪飈一郎で志村喬の存在感。 葬儀後の家族の対話の場面は、小…

「男はつらいよ純情篇」第6作を観た

第6作のマドンナは若尾文子。 冒頭の宮本信子と森繁久彌*1の演技が素晴らしい。 おいちゃん役の森川信も、いつものようにすごい。さすがとしか言いようがない。 山下医師役の松村達雄と寅次郎とのやりとりも可笑しい。 若尾文子が風呂をもらうときの寅さんと…

「男はつらいよ」第5作を観た

マドンナは長山藍子。寅さんが油まみれで地道に暮らそうと、豆腐屋で真面目に働く。 「男はつらいよ」のシリーズは、第1作・2作の傑作に続いて、第3作・第4作の監督は、森崎東・小林俊一監督だった。それが第5作からは、また山田洋次監督に戻り、シリーズ最…