日本人の大学の先生のボストン宅におじゃまする

 南田さん(仮名)は、大学の先生。
 ボストンの仮住まいを訪ねて、夕飯をご馳走になった。
 南田さんに「ニューヨークが気に入っている」と言うと、「それは君が若いからだ」と言われた。「もう少し経つと、ボストンの郊外に住みたくなるよ」と言う。
 そう言われてみて、ニューヨークが好きになったのは、やはり東京が好きだからなのだろうと思った。本屋、レコード屋、遅くまでやっている店、店、店。神田、上野、新宿。南田さんの話を聞いて、古書店街の神田へ行きたくなった。本とつき合うためには、本屋ともっとつき合わなくてはならない。
 もう一つ南田さんとの話で思ったことは、朝鮮についてだ。南田さんはこちらで朝鮮の方とのつき合いが多くなったらしく、「近くて遠い国ですね」と私が言うと、「そうですね」と言われた。朝鮮語は文法も近く、学びやすい言語のはずとも言われた。なるほど。スペイン語ではなく、朝鮮語を学ぼうかと思った。
 英語教育についても話をした。南田さんは日本の英語教育は、それほど間違えているとは思わないが、発音を中心に、実践的には役立たないとも言われた。南田夫人も、自分も苦労していると言って、「何とかならないものかしら、日本の英語教育」と言ってらした。