「発想の英文法」

田中茂範著「発想の英文法」。
それなりに英語を学んできたものは、統語論というのか、語と語のつながり方、そして語句のかたまりを意識してきているはずだ。
たとえば、副詞句。理由を述べる副詞句などもあるが、たとえば、in 1948とか、in Tokyo とか、時と場所をあらわす語句などは、独立的に使われることも多い。
また、英語を後略するには、名詞と動詞を攻めることが重要であることは、だれしも体験していることだろう。名詞は、名詞句の語と語の連結のしかた。さらには形容詞などの修飾語句ともつながって、名詞句・名詞節というチャンクをつくるから、名詞はひとつのテーマとなる。さらに、動詞は、時制もふくめ、助動詞ともつながるから、動詞チャンクも重要なテーマとなる。
ということで、本書は、「名詞チャンク」「動詞チャンク」「副詞チャンク」に着目している。さらに、英語で情報をどのように伝えるか。沈黙の間を埋める技術や言い間違いの訂正。くり返しなども、テーマとなる。
本書からの表現を引用して、具体的な例としては、まず、主語のたてかた。「日本語では省略されがちな主語を英語では意識的に立てる」。「名詞チャンクを作るシステム」。修飾構造でいえば、日本語が「先行修飾型」であるとすれば、英語は、「サンドウィッチ型」。「ひとつの名詞核にひとつの限定詞」。
名詞の数意識も言うまでもなく重要。
ところで、本書の例文に出ているThere's too much boy in the bathtub.(p.126)には驚いた。「ここではboyが集合名詞として扱われている」という。
「形容詞を並べる順番」。「後から情報を追加する後置修飾」。「名詞チャンクを繰り返す同格情報の追加」。「後ろから名詞を修飾する副詞句、形容詞句、前置詞句」などなど。
英語の統語論の整理という意味で、本書は、役立つだろう。