「チャートでわかる a と an とthe 」を読んだ

「チャートでわかる a と an と the」(2001)

 「チャートでわかる a と an と the 」を読んだ。

 本書の題名の「チャートでわかる」とはどういうことなのか。目次のチャートを眺めてみると…。

 まず「名詞」を「普通名詞」と「固有名詞」に大別する。

 「普通名詞」を「単数形」と「複数形」に分ける。

 「固有名詞も「単数形」と「複数形」に分ける。

 「普通名詞」で「単数形」のものを、the, 無冠詞, a,/an とに分ける。

 同様に、「普通名詞」で「複数形」のものを the, a/an, 無冠詞とに分ける。

 同様に、「固有名詞」で「単数形」のものを、a/an, the, 無冠詞に分ける。

 同様に、「固有名詞」で「複数形」のものを、無冠詞、a, the に分ける。形容詞につくthe も考える。

 以上のような分類が「チャートでわかる」という中身のようだ。

 本書は、著者アラン・ブレンダーによる"Three Crucial Words: A, An, The"に加筆・修正をおこなった日本語版ということで、一読したが、日本人読者にとっては、「世界に1つしか存在しないもの」という定義の「固有名詞」。そして、「同じ、あるいは同様のものが複数存在する」ことを示している「普通名詞」という定義自体が、さらに「可算名詞」と「不可算名詞」という数意識*1、ものの考え方・見方自体が難しいのではなかろうか。

 だから、高校時代の英文法教科書を読まされたときのように、こういう場合はこう、こうした場合はこうと、網羅主義で、羅列的にしか学習者に感じられず、結局は、知識の列挙のようにしか、読めないのは俺だけだろうか。

 冠詞は、母語話者の、ものの見方・考え方に深く根ざしており、奥が深い。日本語に存在しない機能語であるため、日本人学習者にはむずかしい。どのように指導すべきか。簡単にはいかない。