クレジットカード、ATM、そして旅行小切手

 空港内にATM(Automated Teller Machine)が設置されている。旅行小切手としてNZドルとオーストラリアドルを、東京のANZ銀行の支店で多少作ってきていたが、現金はまるで持ち合わせていない。クレジットカードを使って、この空港のATMで少しだけおろしておくことにしよう。
 よく知られているようにATMというのは、カードで現金を引き出す機械である。アイルランドを旅行したときもそうだったが、ATMというものは便利である。受けつけるカードの種類が機械に明示されているので、自分のカードを確認して、機械の入り口からカードを入れ、4桁の暗証番号を入力し、簡単な引き出しとしては、100ドル、200ドルなど、切りのいい数字が画面に現れるので、該当する額のボタンを押せばよい。あとは、額面通りの紙幣と、カードと、控えとしての領収書を受け取るだけである。金額は手動でも入力できるし、領収書は必要なしという選択もできる。気をつけないといけない点は、ATMからの引き出しは手数料がかかるということだ。私の場合、一回の引き出しにつき手数料として315円取られる。安全のことを考えすぎて、手数料ばかり支払ってしまったなんてことになりかねないように、回数多くおろすことについては注意が必要である。
 クライストチャーチ空港からタクシーで市内のインフォメーションセンターに着けてもらうようお願いする。タクシーの支払いで必要になるかもしれないと思ってATMで現金を引き出したのだが、ニュージーランドでは、タクシーですらクレジットカードで全く嫌な顔をされないようだ。クレジットカードは、まさに万能の神である。
 ところでトラベラーズチェックのことだが、初めての海外旅行のときの癖が私はなかなか直らない。私の最初の海外への旅というのは、8ヶ月いたアメリカ合州国の経験のことで、このときの旅の必需品は、日本円の現金と、ドルの旅行小切手、そしてこの時の旅行のために初めて作ったクレジットカードであった。24年も前の話であるから、四半世紀も前のことになる。常識が変わるのも無理のない歳月だ。昨年、タスマニアメルボルンをまわった際に、やはり旅行小切手を持参したのだが、このトラベラーズチェックは全く役に立たなかった。にもかかわらず、少額ではあるが今回また旅行小切手を作ってきてしまった。安全を考えるなら、いろいろな種類のお金があることは悪いことではないけれど、現代ではクレジットカードがオールマイティであることは確かだ。