宿に荷物を置いて、アイサイトであれやこれや予約をする

 今日の宿は68ドルで、4760円。エイブルタズマンのアクティビティならば、このモーテルでも予約できると、幼い子どもを抱えた奥さんがいう。
 荷物を置き、シャワーを浴びて、街の散策に出かける。今日は日曜日で、青空市場をやっている。息子のドイツ旅行の足しにしたいという主旨で、ドイツソーセージをはさんだパンなどを売っている。多少お腹が空いてきたので、私もひとつ買って食べる。アイスクリームもおいしそうなので、一つ買って、しゃがんで食べた。
 さて、エイブルタズマンでのアクティビティの相談をしないといけない。この市場の近くにインフォメーションセンターがあるが、ここはあの奥さんに義理立てして、アクティビティの相談をしてみようと考え、一旦モーテルに戻る。このモーテルは、レセプション(フロント)にいつも人がいない。用事がある場合、レセプションの入り口横についている電話で呼んでくれという。家族経営で人手が余っているわけではないし、いつも客がいるわけでもない。これで十分なのだろう。
 「エイブルタズマン国立公園内の宿泊をお願いしたいんだけど」と電話で言うと、「残念ながら国立公園内の宿の予約はここではできない。観光案内所に行ってくれ」という。なんだそれなら最初から言ってよという気分で観光案内所に行く。一人の男性にアクティビティの相談にのってもらう。壁に地図が貼ってあり、向こう一週間の引き潮や満潮などのデータが書き込まれている。テントサイトに泊まることは別扱いとして、エイブルタズマン国立公園内の宿泊施設には数に限りがある。今は予約でいっぱいらしい。けれども、海岸近くに停泊している船なら泊まれるという。船なら海を移動するだけだから環境を悪化させないという配慮なのだろうか。多少不便でも、国立公園内に泊まれるなら船でも文句はない。私のツアーは、Abel Tasman’s Big Day Outという名称になるらしい。「エイブルタズマンでの最高に楽しい休日」ほどの意味だろう。サンドラ(Sandra)という女性に引き継いで相談に乗ってもらう。
 日程は一泊二日しかなく、アクティビティとしてやりたいものは、シーカヤックと海岸伝いのトランピングである旨を伝える。ビッグデイアウトなら三日間くらい国立公園内にいられるようだが、私の場合、時間に余裕がない。シーカヤックでマラハウ(Marahau)を出発し、スティルウェル湾(Stillwell Bay)、そしてテプカテ湾(Te Pukatea Bay)に行き、そこで昼食。その後、アンカレッジ(Ancourage)までシーカヤックで行き、夜はこのアンカレッジに停泊している船に泊まる。夕食はこの船上で出してくれるので問題はない。船のベッドは、個室もあり、いくつかランクがあるが、安めのドームベッド(Backpacker Dorm)を希望した。翌朝の朝食も、船で出してくれる。昼食は、自分でサンドイッチなどをつくって詰めればいい。翌朝、トレント湾(Torrent Bay)、バーク湾(Bark Bay)と、トンガ湾(Tonga Bay)まで歩き、そこでシーバスという船が3時15分にひろってくれて、カイテリテリ(Kaiteriteri)まで連れ戻ってくれる。そこからモトウェカの宿までバスで帰る。そういうコースはどうかという。これで基本料金110ドルに、バンクベッド代が55ドル。シーバス代が25ドルで合計190ドルと、内訳がよくわからないのだが、全部で約13300円。シーカヤックで遊んで、宿代と、カヤックツアー中の昼食、船での夕食、朝食、弁当まで出るのだから、まずまずではないだろうか。エイブルタズマンでは、すべてがよく組まれているようで、私はサンドラにOKを出した。サンドラは3時15分のシーバスにくれぐれも遅れないようにねと確認する。
 このエイブルタズマンでシーカヤックを楽しんだら、温泉で有名なロトルア(Rotorua)に行くつもりである。ネルソンからロトルアまでどういうルートで行った方がいいのか相談に乗ってもらう。結局、飛行機の方がいいだろうという結論になった。このデスクでエアーニュージーランドの飛行機を予約すると10ドル手数料がかかるという。インターネットを使って自分で予約してもよいが、サンドラの仕事ぶりが気に入った私は、飛行機の予約も彼女に頼むことにした。同じ日でも時間帯によって飛行機の値段はかなり違っていた。私が希望した時間の飛行機は、手数料を入れないで231ドル、16102円だった。
 これで予約もすっかり完了。明日シーカヤックを楽しむだけである。