次にワイカト川のリバーサイドウォークを歩く

 午後は、ワイカト川の岸辺を歩く。ワイカト川と平行しているビクトリア通りという表通りに、川辺の散歩道(Riverside Walk)という案内表示がいくつかある。この標識に沿って進むと、すぐにワイカト川沿いのリバーサイドの道に出る。川沿いの小道に入ると、町の喧騒が嘘のようだ。
 この道はなかなかいい。散歩をしている人にも出くわすが、奥に奥にと進んでいくと、30分に一人くらいのペースでないと、人に出会わない。たまに、ヘルメットをつけた自転車乗りが脇を追い越していく。景色も変化に富んでいるので全く飽きない。延々とどこまでも小道が続き、たまに散歩を楽しむ老夫婦や自転車で軽快に走っている親子連れに会うくらいである。若い人はあまり見かけない。もちろん人に出会えば、挨拶を欠かすことはない。自転車でポタリングを楽しむなら、この町だと実感する。
 ただ、少し困るのは、お天気だったかと思うと、すぐ天気雨で雨が降ったりすることくらいだろうか。これは日本と違って、空が大きいせいかもしれないと勝手に私はハミルトンを弁護した。
 ゴルフ場の近くのセントアンドリュースという地域まで来て、散歩の途中で会った女性二人と話したのだが、なんと明日の月曜日までイースター休暇ということらしい。大失敗である。それなら明日もワイカト大学(The University of Waikato)は休みかというと、そうだという。これじゃ、何のためにミドルタウンのハミルトンに三日もいるのかわからないじゃないかと思ったが、それでも、この一見退屈そうなミドルタウンでゆったりできて私は大満足であった。言ってみれば、メインストリートの隣に奥多摩の自然があり、雄大な川をながめながら小道を散歩できる気分は、グランドキャニオンを眺めることのできる小道には負けるけど、それに負けるとも劣らない。子どもたちに声をかけても、なかなかしつけがいい。何があるというわけではないのだが、ハミルトンは気分的に爽快なのだ。
 帰り道で、排水溝のようなパイプが住宅という住宅から川に向かって突き出ているので、庭いじりをしている住民に聞いて見た。「これは生活廃水ではないんですよね」と言うと、「(生活廃水なんて)とんでもない、雨や自然水を流すパイプだ」という返事がかえってきた。ワイカト川はきちんと管理されているという。