フォーティチュードヴァレーをめざして歩き続けながら、ブリズベンという町についても考え続ける

 少し離れているが、フォーティチュードヴァレーは(Fortitude Valley)をめざして歩き始める。フォーティチュードは、その昔、ブリズベンの一番の繁華街だったことがある。通りを歩いてみると、車が結構忙しそうに走っている。そこに自転車が結構早いスピードで走っている。サイクリストが、車と競争して走っているようだ。中には、自転車にサイドミラーをつけて走っているバイカーもいて嬉しくなる。ブリズベン川のリバーサイドにも歩行者用と自転車用の道路があって、結構自転車が走っていた。本格派のサイクリストも走っているが、ちょっと太りぎみのフィットネス派もいた。フォーティチュードのあたりには小さいけれど中華街がある。その昔、半年間住んでいたサンフランシスコには、少し大きめの中華街があった。メルボルンにも本当に小さな中華街がある。中華料理は偉大だ。世界を制覇している料理のひとつであるから、安くてうまいという定評がある。フォーティチュードは昔の繁華街らしく、その伝統は今も健在で、独特の雰囲気をだしていた。
 もう何年前になるだろうか、実はブリズベンを訪問したことが私にはある。クラブ活動の引率で、たしか1987年のことだから、もう16年ほど前にはなるだろう。ブリズベンからゴールドコーストに向かう1号線が、なんだか古ぼけた田舎道だったことを覚えている。先ほど空港からダウンタウンまで乗せてもらった運転手に、その古ぼけた1号線の話をしたら、それは大昔の話だと言って笑っていた。たしかにブリズベンはここ十数年でも大きく発展を続けている街なのだ。初めて私がブリズベンを訪れたとき、地元の高校を訪問したり、マウントクーサ(Mt.Coo-tha)の植物園やローンパインコアラ保護区(Lone Pine Koala Sanctuary)を訪れるなど、ブリズベンの定番中の定番に行ったのだが、車で連れてきてもらったので、どこをどう回ったのかまるでわからない。旅というものは、自分で計画して、歩いたり、自分で乗り物を運転しないと、記憶にとどまってもらえないものなのだ。だから、旅をするなら、自分で計画を立てて、自分の足で地べたをはいまわって行ったほうが、記憶に深く刻まれる分、徳である。やれることは何でも自分でやった方が面白い。
 今日は少ししか歩けなかったが、明日から本格的にブリズベン探訪が始まる。