クイーンズランド大学へ向かう

 さて、バスやシティキャットもあるが、UQクイーンズランド大学)まで歩きで行ってみよう。UQまではダウンタウンから7キロほどの距離がある。ブリズベンの川沿いに道があり、これが歩行者と自転車道路になっている。道路の真ん中から歩行者道路と自転車道路とに分かれていて、ユニバーサルデザインで示している。ニュージーランドのハミルトンほどではないけれども、自転車道路としてはまずますの道路で、それほど多いわけではないが、何人かのバイカーが走っている。もうちょっと緑が多いといいのだが、ダウンタウンからUQまで自転車で行けるというのはいい。かなり歩いて、UQに近づいてくると、なかなかいい住宅地になってきた。ブリズベンに住むなら、ちょっと高級感がないと面白くないだろう。
それで、初めてUQを見たが、これがなんとも馬鹿でかい!UQは広大なキャンパスにモダンな建物や年代を感じさせる建物が立っていて、やはり「百聞は一見にしかず」という気分にさせられる。上野の、あの美術館やら博物館やら国際子ども図書館を一緒にしたような雰囲気で、駐車場もでかい。芝生もでかい!何もかも広い。こんなところで、TESOL(第二言語として英語を教える)を勉強するのかと思うと、退屈かもなぁと思ってしまうほどの大きさである。
 英語の研究室に行って事務室員に尋ねると、コンタクトをとるべき教授がいない。「いまブリズベンに滞在しているので、また明日来てもいいのだが」と窓口で言うと、とにかくまずメールで連絡を取って下さいとのことであった。こうして事務の担当の方から、教授のメールアドレスをいただいた。
 小雨が降り出していた。歩いて帰ると日も暮れそうだったので、帰りは、川を走るシティキャットというフェリーを停留所で待つことにした。ガヤット(Guyatt Park)という停留所からシティキャットに乗ると、これがとても早くて、とても便利。乗客には、少しドレスアップした人たちもいて、これからダウンタウンに行って友人たちと食事を楽しむといった雰囲気である。シティキャットに乗ったら、10分ほどであっという間にダウンタウンまで来てしまった。ニュージーランドのワイカト川もそうだが、水路が発達しているところは、交通として利用すると早かったのだろう。ポリネシア文化領域を自由に行き来していたニュージーランドに来たマオリもそうだったのではないかと思うのだが、現代人が想像するよりも南太平洋を移動したアウトリガーカヌーなどは早くて便利だったのではないだろうか。