留守している間に、芝がきれいに刈りとられ、家庭菜園も収穫されていた

 動物園から家に帰ったら、芝がきれいに刈り取られ、家庭菜園も収穫されている。きっと、ジョニの旦那のトムの仕業だ。この前来たときに、「また芝生を刈りに行くから」と言っていたし、日曜日なので、外のゴミ箱を出しに行こうとしたときに、ゴミ箱の中にコーラの空ペットボトルを発見した。私はコーラは飲まないけれど、コーラはトムの大好物だ。
 何かお礼にと思って、マッスルと竹の子がまだ冷蔵庫に余っていたので、炊き込みご飯を配達することに決めた。彼らが食べなくても、ホームステイしている中国人高校生のティアンがいるし、今度また新しい中国人高校生をホームステイさせていると言っていたから、彼ら中国人なら食べてくれるだろう。
 にんじんと干ししいたけを入れて、醤油で味をととのえて、早速炊いてみた。
 出来上がった電気釜のコードを抜いて、電気釜ごと、車のトランクに積み込み、トムの家まで出かけた。
 ドアの呼び鈴を押すと、トムから話には聞いていた新しい中国人高校生が出てきた。彼も中国の「一人っ子政策」の影響でニュージーランドに来たのだろう。「君がサンダー(仮名)なの」と尋ねると、「そうだ」という。挨拶を済ませて、「ジョニかトムはいるの」と聞くと、あいにくジョニもトムも町に出かけているということだったが、ティアンも出てきたので、電気がまを持ってあがらせてもらった。
 サンダーに、「ご飯を作ってきたのだけれど、食べるかい」と聞くと、サンダーは「結構です」と言った。まぁ、知らない男が突然入ってきて「ご飯を食べるかい」と聞かれても、断るのが普通というものだろう。
 「ティアンは食べるかい」と聞くと、「食べる」という。奴には前に寿司を食べさせたことがあるから、奴とはそれなりの信頼関係がある。
 ティアンに食べさせると、「うまい」と言ってくれた。サンダーに向かって今一度「食べてみるかい」と聞くと、やはり同じ答えだった。
 オヒツから炊き込みご飯を全部あけて、長居は無用なので、すぐ帰ることにした。
 ティアンに「実は芝刈りをトムがしてくれたんだ。これはほんのお礼のつもりだから、くれぐれもトムによろしく伝えてね」とティアンに頼んだ。
 サンダーに「じゃ、またね」と言うと、きちんとした挨拶が返ってきた。
 「あのご飯ね、明日のランチにすると、冷えていても結構うまいよ。炊き立てが一番なんだけどね」と、ティアンに伝えて私は帰宅した。