現在私はジェニーの家に居候している身なのだが、面白いのが朝飯だ。
パーティもそうだが、こちらの朝食は、あっさりしている。というか、自分で勝手にやるという風なので、特別に料理などしないと言った方が適切だろう。
その代わりといっては何だが、常備食がふんだんにある。
常に用意されているものが、豊富な果物、各種シリアル、チーズ、牛乳、ジュースなどだ。
居候になって転がり込んだときの夕食なんかは、パーティの残り物やら、いただき物が多いせいで、焼いてもらったピザを、みんなで二枚食べたくらいだ。
翌朝は、いわゆるシリアルである。
こんなに立派なキッチンがあるのに、なんとももったいない話だ。
この豪邸に住んでいるジェニーの一家は、これがこちら風だから、全く意に介していないようだけれど、これは悪口ということでは全くなくて、アメリカ合州国の一般的な生活、あるいは高給取りの生活は、消費社会のなれの果てのような印象がある。
ジェニーの家では、ご夫婦は、さすがにジャンクフードはお好みではないようだけれど、日本もこれから同様に、「消費社会のなれの果て」の如く、立派なキッチンでファーストフード(早食い餌)というような暮らしになっていくのではあるまいか。
前にも書いたように、15歳の女の子ジュリアは、アジア系の友達の影響なのか、日本の漫画というのか、アニメと言った方が正しいのかもしれないが、それに興味があって、部屋中にアニメ関係のものが多い。
以前、インターネットで体験したのだが、宮崎駿氏の作品などは、海外で結構人気があって、私が日本人であるということだけで、インターネット上で日本のアニメについてよく質問された経験がある。
日本は海外から見ると、なんだかわけのわからない不思議な国だ。日本と聞いて、どんなイメージを持つのかという日本のイメージで言えば、日本のアニメは、相当強力なインパクトがあるのだろう。
好きなものを好きなだけ食べてねと、ジェニーから食料庫の説明を受けている際に、15歳の日本通のジュリアが「シンもあるよ」というので、何かと思ったら*1、「辛」という即席ラーメンのことだった。
もちろんロサンゼルスには、アジア系のマーケットもあり、何でも手に入るようだ。
ジュリアは、ちょっとした日本マニアで、オタク*2というコトバも知っていたほどの日本通だ。ジュリアの情報は、どうやら日本の漫画を通じて、入手しているらしい。