子どもたちが民族文化の継承者

 素晴らしい演技が終了すると、会場から応援団が立ち上がって、ハカで応えることがある。観客席はステージでもないのに、会場から、突然パフォーマンスが始まってしまうわけである。すると、演技を終了しおえたばかりのグループは、呼吸を整えながら、それを嬉しそうに見ている。
 観客席でこうしたハカをおこなうグループの中には、子どもたちが呼応していることが少なくない。
 司会者が進行の妨げになるからと言って早めにハカを切り上げるように言っているが、カメラも大画面に会場のハカを映したりして、大変好意的だし、また会場もこうしたハカに惜しみない拍手を送る。
 マオリは、民族文化を継承していく子どもたちを大変大事に扱っていることがわかる。
 この子たちは、コハンガレオなどで育った子どもたちであり、おそらく将来マオリの民族文化を継承していく宝に違いない。
 会場を埋め尽くしている観客は、まさに老若男女でバランスがよく、この大会の健全さを象徴していた。