ニュージーランドで70年代に弾圧された写真展

 博物館でたまたまやっていたフィオナ=クラーク(Fiona Clark)の写真展は、異性の格好をするトランスベスタイズをモチーフにした写真展で、70年代に、物議をかもし出し、オークランドで展示が中止になったものらしい。今や隔世の感がある。
 このファカターニの博物館のマオリの女性司書とも話になったのだが、性的嗜好性は、個人の人権の範疇に考えられるようになり、他人がとやかく言うべき問題ではないというのが今日的常識だ。
 昔男性で今は女性に性転換をしてなった、ジョージナ=バイアさん*1という国会議員をやったこともある政治家も存在しているニュージーランドの政治民度は高い。政治家としての能力は、個人の性的嗜好性とは全く関係がないと投票者に考えてもらえないと、当選できないからだ。
 70年代に写真展を弾圧したこともあるニュージーランドでも、だから、そうなりつつあると言えるのだが、以前にも書いたけれども、「もうたくさんだ」(Enough is enough.)というキャンペーンを使ったタマキ氏率いるところのチャーチオブデスティニ(Church of Destiny)という団体の巻き返しがある。
 同性愛なんてとんでもないという年配者のキーウィはいるし、その一方で、オークランド市内を子どもたちを使ってデモンストレーションをさせたチャーチオブデスティニに眉をひそめるキーウィも少なくない*2
 ところで、彼女との話で、最近話題になっている町としてルアトキ(Ruatoki)という町があることを聞いた。
 政府との間で、土地問題があるという。ファカターニから遠くないから訪問したらいいと言ってくれた。

*1:ジョージナ=バイア氏については、斉藤完治氏の「極楽ニュージーランドの暮らし方」で紹介されている。

*2:私が以前に見たテレビ番組では、このタマキ氏と昔男性で今は女性になった政治家とで論争をさせていた。問題を公に討論するのはニュージーランドでは普通のことだ。