キーウィでもアウトドア志向が弱まっているらしい

 どれくらいの割合で、フライフィッシングをしている若い人たちはいるのか、聞いてみたら、彼がこれまで通っていた学校の生徒人数でいうと、1500人に1人、100人に1人ということだった。つまり、彼以外には、フライフィッシングをしている奴がいないということになる。
 どうやら大変嘆かわしいことに、キーウィでも、アウトドア志向が薄れつつあるようだ。
 ビルに言わせると、これはコンピュータゲームのせいだという。コンピュータゲームは今や日本のお家芸だ。日本の文化汚染の影響を私が謝ると、ビルは笑っていた。
 アウトドア志向が薄れつつあるといっても、これは日本の比ではない。大変残念なことに、日本では自然というフィールドがとても遠くなってしまった。
 三人で語り合ったのだが、とくにビルとは大人通し、スーパーマーケットの24時間営業、一週間に7日間営業は間違いだと意気投合した。
 ニコラスがラスベガスに行ったときの話をし、ラスベガスに行ったことがあるかと私に聞くので、若いときに行ったことはあるけど、一回も賭博をやらずに通過したと答えた。「ラスベガスは、朝食が安いと聞いているけどね」と、私が言うと、ビルが笑っていた。どうやらビルも、賭博があまり好きでないらしい。
 「なんでジャックポットが人気があるのか、わからない。子どものときにピンボールマシンに夢中になってかなり腕を上げたことがあるんだけど、ピンボールマシンのようなゲームの方が技術が必要だから面白い」と私が続けて言うと、コインを入れて開始ボタンを押すだけのジャックポットの真似をビルがしたので、大笑いになった。