やるべきことをやらず、やってはいけないことをやっている日本

amamu2005-12-26

 耐震強度偽装問題が大問題になっている。
 これは、姉歯建築士による偽装問題に端を発しているけれど、もちろん、こうした個人の問題ではなく、こうした個人を使う構造、つまり、木村建設、総研、ヒューザーなど各社の、法律違反を他人にやらせることを厭わない、そして自らも、一番重要な顧客の安全を無視して、やらずぶったくりのコスト削減を追求するという体質にあるのではないかと言われている。さらにそうした体質から生じた耐震偽装を、結果として見逃した地方自治体の責任はもちろん、とりわけ政府の責任、その任務放棄、つまりは政治の貧困に本質があるのではないかと指摘されている。
 立て替え支援策というが、これは責任を明確にした上での賠償問題ではないのか。ただし、国の賠償問題といっても、とどのつまりは国民の税金が投入されるわけで、緊急事態を口実にして責任の所在を究明する責任を国が回避することは許されない。今回の問題をなんとか氷山の一角に押しとどめようとする意図が透けてみえる。今回の問題の責任をまずは徹底追及しないといけない。
 今回の問題は、小泉首相の民営化路線の結果であり、アメリカ合州国の要求のいいなり政権にこそ根本的原因があると指摘する識者がいる。
 その意味で、今回の事件は、民営化路線が、小さい政府で安くあがるどころか、逆に高くという最悪の結末である気がしてならない。
 今回の事件も、やるべきことをやらずに、やってはいけないことをやっている日本の政治の貧困、その典型例に他ならないのではないのか。
 総合経営研究所の内河所長が黒幕ではないかと新聞で書かれている。たしかに総研も黒幕には違いないが、姉歯建築士や総研などの会社に全て責任を押しつけて幕引きをはかろうとする輩が本当の黒幕なのであろう。この際に膿を全て出して、全貌を明らかにすべきだ。
 世の中には、いい人間と悪い人間、誠実な人間と、誠実でない人間の二種類しかいない。ことは住まいという人の生き死に関わることである。隠蔽工作を許さず、徹底追求が急がれる。