シンガポールにまた行こう

「観光コースでないマレーシア・シンガ

 ニュージーランドから帰国する際の立ち寄り先として昨年3月に初めてシンガポールを訪れた。これは私にとって初めてのアジアへの旅行でもあった。帰国してから、陸培春氏の書かれた「観光コースでない マレーシア・シンガポール」(高文研)を読む機会を得た。
シンガポールを回るときは、いつもの個人旅をするときのようにロンリープラネットガイドブックをたよりに、自分でシンガポールを回ってみた。ロンリープラネットガイドブックでは、シンガポールだけの分冊はなく、マレーシアとブルネイと一緒になっていることには閉口したけれど、自分で計画を立てて回ってみた。
 陸培春氏の本に紹介されている「チャンギの刑務所・教会・博物館」「血債の塔」「シロソ砦」「クランジ戦没者共同墓地」「シンガポール戦争記念館」「シンガポールでの華僑虐殺」「抗日英雄・林謀盛物語」に関しては、私なりに簡単なフィールドワークを済ませていたけれど、「日本人墓地」「晩晴園――孫文記念館」に関しては訪れてはいなかったから、「観光コースでない マレーシア・シンガポール」を読んで、シンガポール再訪をしてみたい気持ちにかられていた。
 何故か。
 それは第一に、シンガポールの歴史から私たち日本人が学ぶべきことが多いこと。第二に、シンガポールでは庶民が元気なこと。第三に、とりわけ食事が安くて、とても美味しいこと。それからあとは単なる付け足しなのだが、タスマニアホバートでの私の息子の留学時代の友人がたまたまシンガポール出身で、家にも遊びに来て私も会ったことがあること。それに、アオテアロアニュージーランドに一年間滞在して帰ってきた娘が、帰国途中にシンガポールとマレーシアに立ち寄り、チキンライスのファンになっていた私のためにI love chicken riceというTシャツを買ってきてくれたこと。そして、いくらかシンガポールドルを持っていたこと。家族の中にシンガポールに行ったことがない者がいること。
 ということで、シンガポールを再訪することとなった。
 今回の旅は一人旅ではなく、私の連れ合い、そして息子と、三人での旅となる。シンガポールには私も一度しか行っていないし、実質五日間しか滞在していないのだけれど、今回の旅は私が案内役をつとめることになる。