ローパサからチャイナタウン*1方面に歩く。チャイナタウンには大検証の碑があるはずと碑を探して歩く。
大検証とは、日本統治下にあって、当時、日本に抵抗していた中国を支援する傾向にあった華僑の中で、誰が反日分子であるのか判断される検証作業のことをいう。反日的と判断されれば、命はなかった。反日的ではないと判断された場合は、「検」と書かれた紙を渡されたり、シャツにスタンプが押されたりした。
その大検証が行われた場所を示す碑がチャイナタウンにある。
陸培春氏の前掲書によれば、「検証現場はサウス・ブリッジ・ロードとクロス・ストリートの交差点」にあり、「検挙された人はサウス・ブリッジ・ロードの方向へ連れていかれたので、サウス・ブリッジ・ロードは「死の道」と呼ばれた。一方、クロス・ストリートは「生きる道」と呼ばれた」という。
人通りの少なくないシンガポールのチャイナタウンの町並みを見ていると、説明や碑がなければ、何も気がつかずに通り過ぎていたことだろう。