教育基本法「改正」はそんなに優先順位が高いことなのか*1

amamu2006-04-29

 28日に国会に提出された教育基本法「改正」案をめぐって、反対・賛成の立場からの論議が活発になっている。
 例の「愛国心」に関する条文案は、法案全文によれば、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」となっている。
 加藤周一氏、辻井喬氏らが「改正」案に反対し、教育評論家の尾木直樹氏は、「与党や改正論者は学級崩壊、いじめなどを個性尊重、公共性軽視のつけだ、と基本法と結びつけて批判してきた。では、今度の法案でそれらの問題が解決できるだろうか」と問題提起をされている。一方、「改正に賛成する立場の日本会議は、25日、自民党本部で緊急集会を開き、「『国を愛する心』と『宗教的情操の涵養』の明記、『不当な支配』の削除という3点の修正を求める」との決議文を自民党に提出した」と、朝日新聞が報じている。
 「前文」*1にしろ、「教育の目的」にしろ、また「教育の機会均等」にしろ、義務教育の無償化にしろ、「男女共学」*2、「政治教育」、そして「教育行政」*3にしろ、憲法教育基本法の精神にたって実践することが今こそ求められている。
 条文をいじっている時間があったら、問題を正確に分析して、憲法教育基本法の立場に立って教育実践することだ。

*1:「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」の箇所が「改悪」案では削除されている。

*2:「改悪」案では、「男女共学」の項がそっくり削除されている。男女平等の問題は、少子化問題を解決する上でも重視すべきであるのに、このことひとつをとってみても、「改悪」案の意図は明らかである。

*3:「不当な支配」に服することなく、国民全体に対し「直接に責任」を負っての一文が「改悪」案では削除されている。