新自由主義的な競争原理の導入が日本の教育を悪くしている

 そもそも少子化なのに、大学や大学の学部・学科の数が増え続けているのはおかしいと思わないだろうか。
 最近の大学の学部では、一例をあげれば、国際教養だの、国際文化だの、交流文化だのと*1、いわゆる四文字学部・学科が増え続けているが、これは、国立大学の法人化にともない、法人化した国立大学との競争を意識した私立大学が生き残りをかけて中味の薄い「改革」を競い合うようになったことが遠因にある。少子化傾向にも歯止めがかからない。18歳人口は今後さらに減少する。こうして、市場が縮小しているにもかかわらず、大学の数や新しい学部・学科が新設されるのは、「競争原理の導入」にもとづいて、「大学設置の規制緩和」をすすめるという政府の方針が強力に後押しをしているからに他ならない。、いうまでもなくこれには小泉政権が強力に後押しをしてきた。
 大学経営に民間的な手法を取り入れるだの、民間をみならえというのは、こうした流れから来ているのだ。
 競争原理を導入して教育がよくなったかといえば、その逆で、日本の大学はますますおかしくなってきていると私は思う。
 早稲田大学の事件のような最高学府として恥ずかしくなるようなおかしな事件が今後あとを絶たないだろうと私が予測するのは、わたし自身、教育現場に身を置く中で、そうした間違った方向の流れを日々見聞きしているからである。
 早稲田大学の問題は、戦後最大の日本の教育危機について国民に警鐘を鳴らしているのである。国民はこうした間違えた「教学改革」について、いち早く気づかなければいけない。

*1:ここであげた四文字学部・学科の例は、例であって、あくまでも一般論である。特定大学の特定学部を想定して書いているわけではない。当然多くの学部・学科で中味のある教学改革をしていることを否定しているものでもない。