いくつかの私立大学が、もともとの付属校とは別に、新たな中学・高校と続々と「提携」しているという記事が朝日新聞の一面に載っていた。
それによると、以下の例が紹介されていた。
- 聖霊中・高
- 京都産業大付属中・高
- 文京区立第三中
こうした傾向は、少子化傾向にあって、生徒確保が私学にとっての死活問題になってきている表れであろう。大学側の思惑と中高の思惑とを摺り寄せて、早めに生徒に唾をつけて生徒を確保しておきたいということなのだろう。
少子化時代にあっては、教育全体をよくすることが大切で、大学間競争に勝ち抜くための「生徒先取り」競争ということであれば、それは良い教学改革とは言い難い。それでは、生き残りのための大学のご都合主義だと言われても仕方あるまい。
朝日の記事には触れられていないが、こうした動きの一方で、これまでの付属校からの生徒進学を削減していこうという私大の動きもあるようだ。
こうした両極端の傾向は、現場の意見、とりわけ、生徒・父母、そして教員の意見を十分に聞いての「教学改革」なのだろうか。上記の具体例について私はその詳細を知らないが、現場の意見を聞かないトップダウンの「教学改革」という傾向が強まっているのではないかと危惧を覚える*1。
いずれも、大学のご都合主義ではなく、生徒・父母、教職員のための豊かな教育になるのか、一つ一つの内容を見ていくことが大切だ。
*1:こうした私の危惧についていえば、たとえば、立命館大学守山中・高については、「立命館大学による市立守山女子高校取得問題」として、次のサイトで紹介している。http://university.main.jp/blog/