現場に適切な体制をつくるのことは行政の仕事である

 高校生アルバイトのことは多少論議を呼ぶかもしれないが、私から言わせれば、むしろそうした「素人」スタッフの体制をつくった会社の責任と、それを放置した行政の責任を、やはり問題にしなければならないということである。すでに述べたように吸水口に対する適切な対策がとられていれば今回の事故は未然に防げたわけで、見方によっては、高校生監視員一人ひとりは、取り返しのつかない大事故に巻き込まれた被害者*1と言えないこともない。
 ところで、民間委託について私は基本的に批判的だが、民間委託のことでいえば、私は、なんでも民間委託がいけないということを言いたいわけではない。私自身が高校の教員だからといって、民間よりも、市教委や学校を擁護したいということでもない。
 現場のスタッフに限って今回の事故で私が言いたいことは、「現場を熟知している優れたスタッフ集団」「教育の専門家集団」でないと、子どもの命も成長も守れないということであり、そのためにこそ、行政に行政らしい仕事をお願いしたいということである。

*1:高校生でこうした事故に遭遇すれば、ある種のトラウマになる可能性は大きいと思う。その意味で、ここでは「被害者」と書いた。