世界遺産の宗廟を訪れる

 まず、ソウル五大故宮のひとつ、宗廟(ジョンミョ)を訪れる。
 暑い日差しの中、世界遺産の宗廟の外は、木陰に人が集まり、結構な喧騒である。
 宗廟は、1995年に世界遺産に登録された。1395年に建てられたが、16世紀の倭乱で焼失。韓国の歴史的建造物は、豊臣秀吉軍によって消滅されたものが多い。焼失してしまった宗廟は、1608年には再建された。
 1392年〜1910年まで、519年もの間続いてきた朝鮮王朝。宗廟には、李氏朝鮮王朝の歴代の国王とその妃の位牌がまつられている。宗廟正門を入ると、三本の道があり、少しだけ高い真ん中の道は亡くなった王の道で、昔は踏むこともできなかったとガイドさんが説明してくれた。そう説明してくれたガイドさん自身がときどき真ん中の道を踏んでいたから、どうやら今は許されるようだ。
 正殿は、元の部分からのばして建てましていった建物で、祀る王が増えた分だけ、増築を重ねた。
 「宗廟の外は、木陰に人が集まり、結構な喧騒」だったと先に書いたが、入場料が必要な宗廟の内部にも、老人が多く、こちらは観光というよりも、くつろいでいる雰囲気なので、同行してもらったガイドさんに聞くと、65歳以上は無料とのこと。世界遺産は老人たちの憩いの場所になっていた。