「見張りが手薄になっていた」可能性と「あたごの回避行動が不適切だった」可能性が浮上

amamu2008-02-20

 自衛隊イージス艦が、漁船を真っ二つに壊し、二名の乗組員を行方不明にさせた事故が一体全体どうして起きたのか。まずは、二人の安否の確認、救済措置が急がれるが、同時に、ハイテク機能満載のイージス艦が、どうして小さな漁船の存在に気がつかなかったのか、徹底究明が急がれる。そうした中で、発表が右往左往している。
 事故が発生した際の連絡の遅れとともに、発表が正確なものなのか、その信頼性が揺らいでいる。
 また今回、見張りが手薄になっていたのではないかという可能性が浮上しているという。徹底解明が待たれる。
 以下は、毎日新聞から。

イージス艦事故>衝突の12分前、清徳丸の灯火を視認
2月20日21時22分配信 毎日新聞


 千葉・野島崎沖で起きた海上自衛隊イージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故で、あたごの見張り員が衝突の12分前に清徳丸の灯火を目視で確認していたとみられることが20日、防衛省の調べで分かった。あたごが操舵(そうだ)を手動に切り替え、後進で回避行動をしたのはその11分後だった。あたごは、清徳丸を確認しながら10ノット(時速約18.5キロ)で約3300メートルを自動操舵で航行したことになる。 

 また、同艦は午前4時前後に艦橋の当直10人が順次交代しており、引き継ぎなどで見張りが手薄になっていた可能性が新たに浮上した。横須賀海上保安部などは、最初に見張り員が確認後の両船の位置関係や航行状況などを調べている。

 防衛省によると、19日午前3時55分ごろ、あたごの見張り員が清徳丸の灯火を視認したと思われると説明した。船の灯火が動いているのを目視で確認したという。その上で、同4時5分ごろ、同じ見張り員が右方向に緑の灯火を視認。同6分ごろ、緑の灯火がスピードを上げて動いたため漁船と確認し、全力の後進をかけて回避行動をしたが、同7分に衝突したと説明した。

 防衛省は19日、衝突2分前の午前4時5分に初めて灯火に気付いたが、船かどうか不明だったと説明していた。だが、これよりも10分早く同じ見張り員がいったんは視認し、その後目を離したことになり、横須賀海保などは、見張り員の認識や連絡、この間の見張りの状況なども調べる。

 一方衝突前、あたごが清徳丸を右舷側に見てほぼ真向かいに行き会う状態で接近した可能性があることが関係者の証言などで分かった。海上衝突予防法では原則、行き会った両船が右転で回避するよう義務付けている。後進だけで衝突を避けようとしたあたごの回避行動が不適切だった可能性が高まっている。