映画「私は貝になりたい」を見て来た

私は貝になりたい

 フランキー堺主演(清水豊松役)の「私は貝になりたい」は、TBSの前身であるKRTによる1958年のテレビドラマであり、昭和のテレビドラマ史に残る名作と言われている。
 元陸軍中尉・加藤哲太郎の手記の遺言部分をもとに、橋本忍の脚本による、このテレビドラマは、テレビ製作のあと映画化され、また後年リメイクされ、今回また、中居正広仲間由紀恵によるリメイクとなった。
 フランキー堺さんが主演されたこの歴史的なテレビドラマを私はリアルタイムで見たわけではないのだが、たまたま私の父親の写真アルバムにフランキー堺さんの「私は貝になりたい」の白黒スチール写真が何枚か貼ってあったことがあり、大昔にその写真を見たことがあって、なんとなく子どもの頃の記憶の引き出しの奥底に入っていた。
 そこで、中居・仲間両氏の特別ファンでもない私でも、今回、中居正広のリメイク版を見てみたというわけだ。
 映画全体としては、歴史認識の表現・演出に甘さを感じたが、映画のできは悪くはないと思った。巣鴨プリズンなど、私もリアルタイムで経験しているわけでもないけれど、戦後の歴史を知る上で、若い世代に見てもらいたい映画のひとつでもある。私自身は、フランキー堺のオリジナルを見てみたくなった。