ディズニー映画「プリンセスと魔法のキス」(The Princess and the Frog)が日本でも封切りになる。上演は字幕版よりも吹き替え版が多いようだ。ディズニー映画最初のアフリカンアメリカンの女の子・ティアナ(Tiana)が主人公の物語。
とりたててディズニー映画のファンということではないのだが、音楽担当のランディ・ニューマン(Randy Newman)に興味があるので、サウンドトラックも注文したし、映画も観る予定だ。
2006年の秋ごろより、ディズニーの「プリンセスと魔法のキス」の音楽担当が誰になるのか論議を呼んでいたようで、それはディズニー映画音楽担当のマエストロ、アラン・メンケン(Alan Menken)をはずして、ピクサー映画音楽担当ともいうべきランディ・ニューマンの起用をしたことが理由だった。これははたして正しい選択なのかという論議である。
私は映画音楽などのビッグバンドの音楽について詳しくないから、この辺の論議の判断はできない。
それはともかく、ランディ・ニューマンが音楽担当であることは、「プリンセスと魔法のキス」の舞台がルイジアナ州のニューオリンズであることを考えれば、悪い選択とは思えない。もっとも、これも製作背景を知らないから何とも言えないのだが、卵が先か、鶏が先かの話と同様で、ランディ・ニューマンが音楽担当だったからニューオリンズに場面設定がされたのかもしれない。それほどランディ・ニューマンとニューオリンズとの関係は切っても切れない関係がある。
さてアメリカ合州国の都市で、ニューヨークといえば、元はニューアムステルダムと呼ばれたことからわかるように、オランダが宗主国であった。そしてニューヨークとなれば、イングランドが宗主国であることからの名称である。これは、日本が仮に侵略した新世界の中心都市を新東京と呼ぶような植民地主義的感覚に他ならない。ロサンゼルスは、スペイン。ニューオリンズとなれば、フランスが宗主であった。つまり、新世界であったアメリカ合州国は、ヨーロッパ各国やアフリカ、アイルランドとの関係が切っても切れない関係にあったのである。アメリカ合州国が、A Nation of Nationsと呼ばれる所以である。また言うまでもなく、この新世界は、奴隷として連れてこられたアフリカ系黒人を犠牲にして成り立っていた。
ニューオリンズは、ピューリタンが多く主流のアメリカ合州国で、例外的にカトリック教徒が多く、ブードゥーなどの異教が支配している、あえて言えば、アメリカの都市の中でもおかしな都市だ。
ニューオリンズといえば、ジャズ。そして、シーフードとクレオール料理。私も、30年近く前の1981年に一度訪れたことがある。フレンチクオーター、バーボンストリートを散歩して、ディキシーランドジャズのプリザベーションホールを訪れ、ミシシッピ川をクルーズした。時期的に、マルディグラの時期でなかったことが残念だったが、オイスターデックバーで生牡蠣と眩むチャウダーを楽しんだ。オクラ入りのガンボスープ。穴の開いていないドーナツのようなベニエ。ジャンバラヤ。音楽といえば、ドクタージョン。そしてネイビルブラザーズとダーティ・ダズン・ブラスバンドか。
最近では、ハリケーンによる被害が記憶に新しい。
また、ニューオリンズを再訪してみたくなってきた。Let the good times roll!