Talking Heads の "Cities"(1979)

Fear of Music

 自分がかけだし英語教師のころ、すでに他界されてしまったのだが、歌の歌詞や映画のセリフについて個人的に習っていた家庭教師からTalking Headsを勧められたことがあった。近所に住んでいたといっても車で出かけないといけない距離だったが、その音楽好きのアメリカ人の影響もあって、Talking Headsを聞くようになり、大いに気に入ったのがTalking Headsライブコンサート映画"Stop Making Sense"(1984)だった。

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Stop Making Sense

 このライブコンサートの中では、'Life During Wartime'など、興味深い曲がたくさんあるが、その中のひとつに、'Cities'もある。

"There's good points and bad points"という英語らしい二分法のあとで、次のラインが繰り返される。

 Find a city
 Find myself a city to live in

 とりあげられている街も、London, Birmingham, Memphisなどで、その取り上げ方も、描写の仕方も、日本人の私には要領をえない。
 "I will find a city, find a city to live in"(「俺が住む街を探さないと」「必ず探すぞ」)というわりには、前向きに探しているとも思えないようなデビッド・バーン(David Byrne)の歌い方で、それがまた諦めや憂鬱を含んだような都会的な印象を与えている。
 There's good points and bad pointsという英語らしい二分法だが、これは西洋的ロジックの基本である。けれども、その思考法の限界もある。白黒はっきりさせず、灰色的思考法も時に有効ではないかという議論だ。good points, bad pointsと皮肉っぽく歌っているデビッド・バーン(David Byrne)の歌い方も印象的である。

 Find a city
 Find myself a city to live in

 実は個人的な生活で変化があり、最近、頭に残るラインになっている。