井上ひさしさんの「十一ぴきのネコ」を観てきた

馬場のぼるさんの「11ぴきのねこ」

 馬場のぼるさんの絵本「11ぴきのねこ」を原作として、人形劇と舞台版にした井上ひさしさんのミュージカル作品・「十一ぴきのネコ」。
 今回初めて見たが、これはなかなかすごい作品である。子どもも楽しめるが、大人が観るべき内容の深さがある。どちらかといえば大人向けの作品といえる。
 まず、井上ひさしさんが日本語の音の響きを重要視してこの作品を作られたことがわかる。語呂合わせとダジャレは楽しい。シェイクスピアの作品名リストや、夏目漱石の「吾輩は猫である」や、「ネコ踏んじゃった」、「猫の額」など、言葉遊びが満載。
 同時に、飢えや貧困、貧しくても明るかった時代、民族自決権など、70年代のベトナム戦争などの時事問題もふんだんに出てくる。
 日本語を大切にする井上戯曲は、演じるほうも大変だろうが、歌もセリフもたっぷりと楽しめた。