「男はつらいよ 第48作 寅次郎紅の花」を観た

男はつらよい 寅次郎紅の花

 本作が「男はつらいよ」シリーズの最終作品になる。
 リアルタイムで見た覚えがないが、あちこちで見たような既視感もある。

 満男(吉岡秀隆)がバカな男を演じるが、男は身に覚えがあるものが多いだろうから、これは笑えない。なんといっても、男は「ぶざま」なものだ。
 マーちゃん役の神戸浩が、数回にわたって満男に向かって「ばか」と言うのがいい。

 そんな「ぶざま」な満男をめぐる寅との議論で、リリー(浅丘ルリ子)が「男の美学」を否定する場面もいい。
 いつもながら、泉(後藤久美子)と泉の母・礼子(夏木マリ)もいい。

 船長役の田中邦衛名脇役をつとめる。
 とらやの三平ちゃんも存在感がある。

 神戸震災後の神戸長田区を再訪する寅さんもいい。

 1995年の作品。
 残念ながら、シリーズの最終作品となった。