映画”The Natural"(1984)は、ロシア系ユダヤ移民の子孫であるBernard Malamudの1952年の小説を映画化した作品。
Barry Levinson監督で、Robert Redford主演。
Pop Fisher役のWilford Brimleyと、Red Blow役のRichard Farnworthがいい。
"The Natura"lは前に何回か観たことがあるが、Barry Levinson監督の作品なら、"Rain Man"(1988)のほうが何度も観た映画だ。
久しぶりに"The Natural"を見て、Randy Newmanの音楽がいいと思った。
Robert Redfordは、うまい役者だと思ったことはないが、人間的にいい奴だという印象を勝手にもっている*1。
映画"The Natural"を何度も観たいと思わなかった理由は、野球の場面がリアルでないことが理由である。
野球の見せ場の演出は悪くはないのだが、全体的に野球の場面がリアルでない。
野球を背景にした映画なら、"Field of Dreams"のほうが好きだ。映画"Field of Dreams"は何度観たかわからない。
当たり前だが、野球のシーンなら、MLBを観たほうが面白い。イチロー選手の矢のようなレイザービームの返球場面のほうが感動も興奮もする。
けれども、今回、映画"The Natural"を久しぶりに見て、「大衆の期待に正しく応えられるか」というようなことを考えた。
この「正しく」というところが重要で、インチキではいけない。ポピュリズムではいけないということである。
人生では、計画や想定をしても、予想もつかないこともある。ロイ・ホッブスの人生もそうだろう。
ロイ・ホッブスの希望は、大リーグでプレイすることだ。16年もの回り道は、予想もしなかったことである。
だから、ロイ・ホッブスにとって、大金も、楽な道も、引退も魅力的なものではありえない。
映画"The Natural"は、そういうことはあるだろうという気にさせてくれる佳作である。
金で動く人間もいるが、金では動かない人間もいるのだという理想に説得力をもたせている。
その意味で、映画"The Natural"は価値がある。
Losing is a disease...as contagious as syphilis.(負けることは、梅毒のように伝染する病気のようなもの。)
野球選手らが宣教師の説教を何度も聞かされる場面はおかしい。