「不気味さ 戦前のよう」(ちば・てつや)

 子どもの頃、ちばてつやさんの漫画が好きだった。
 特定秘密保護法案を「このまま成立させたら、再び暗い時代がやってくるのではないか」。新聞紙面に「異議あり」の声が続く。
 以下は、ちばてつやさんの「異議あり」。

 

 桜や紅葉の美しさを楽しめる時代が終わり、白黒だった戦前・戦中に逆戻りする。鳥肌が立つほど日本の将来が暗く見え、子どもたちがそんな時代を生きることになる----。特定秘密保護法ができた社会を想像すると、漫画家なので、つい視覚的に考えてしまう。
 政府が恣意的に情報を隠せる恐ろしい法案には絶対に反対だ。国民の意見を尊重し、国民が望むことを実行するのが政治家の役割のはず。それなのに説明を尽くさず、慌ただしく法案を通そうとしている。
 なぜ、これほど国民を軽視するのか。自分たちの思い通りに国を動かす意図があるのではないか。戦前のような不気味さと平和が終わる予兆を感じる。