本日の朝日新聞の天声人語

 本日の朝日新聞天声人語
 内容的に賛同するので、全文を引用しておく。

 2度目の登板は安全運転で発進したが、近ごろは安倍カラー全開である。躓きの石は思わぬところに潜む。久しぶりに首相が代わらずに年を終える師走の言葉から▶80歳の誕生日を迎えた天皇陛下は、長い道のりで最も印象に残っている出来事として「先の戦争」を挙げた。「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って今日の日本を築きました」▶いま「戦前回帰」への懸念が膨らむ。特定秘密保護法が成立した。「一水会」顧問の鈴木邦男さん(70)は「40年以上、右翼活動をしてきたが、今のやり方は危なくて仕方ない。戦争の本当の恐ろしさを知る人たちが少なくなってきたせいだろう」▶だが、ジャーナリストのむのたけじさん(98)は悲観していない。「この法律に反対した議員は次の選挙で必ず当選させる。賛成した人は必ず落とす。そういう活動を、成立した今日から始めるんです」▶空前の大量得票で都知事になった猪瀬直樹氏が、わずか1年余りで辞職に追い込まれた。作家の石川好さん(66)は「巨大な票が動く東京の選挙には、当選者の自己評価を誤らせる『魔物』がすんでいる」。過信という危険な罠である▶人種隔離政策に抵抗した南アフリカマンデラ元大統領が死去した。「一人ひとりが国の主権者だというマンデラ氏の遺志を受け継がなければ、民主主義は衰える」。南ア研究者マリアンヌ・セブラン氏の警鐘を反芻する。