スコットランド独立問題についての日本の報道

 イギリスやアメリカ合州国の報道をざっと聞いてみると、独立賛成の意見では、そもそもの歴史的経緯があることもあるが、北海油田の歳入の分配に不平等感がある。スコットランドは独立しても充分やっていけるし、豊かになる。スコットランドには核兵器もおしつけられているが、核兵器も廃絶できるというような論点が眼をひいた。一方の、独立反対の論点は、ポンドが使えなくなる。独立するリスクは大きいというようなものだろう。そこには、歴史的・文化的・経済的・政治的・軍事的な総合的な論点がある。
 スコットランドの独立問題は、日本でいえば、沖縄や北海道が独立するか否かのような大問題である。実は、こうした問題は、世界のあちこちにあるのだろう。そうした視点やそうした視点を隠して報道しているに違いない。その点でいえば、我が祖国・日本の論点は、政治ボケしていると言わざるをえない。この前、日本のラジオで、「イングランド」と言わなければならないところを「イギリス」と言っていた。これでは、問題に迫れるはずもない。わたしたち日本人一般は、なんでスコットランドが独立したがっているのか、わからないだろう。英語、グローバルと騒いでいるわりには、浅い認識と言わざるをえない。浅い認識の私たちもいけないが、浅い認識しか与えられないメディアの責任が大きいと言わざるをえない。