「「移設反対」の声 ヤマトゥに届かず 政治の劣化が進む」

amamu2015-03-14

 芥川賞作家の目取真俊さんのインタビューが昨日の朝日新聞に載っていた。
 以下、朝日新聞から。

――戦争について考え続けた人がいま、国の対応に抱く思いは。

 「怒りなんか通り越して、もう憎しみに近いと思っていますよ。私たち名護市民は去年、1月の市長選から衆院選まで5回も選挙をしました。全部、辺野古への移設反対派が勝っている。知事選で『断固阻止』を掲げた翁長雄志氏を圧勝させたのが、沖縄の民意なんです」

 「しかも、いまの島ぐるみの運動は空軍の嘉手納基地まで地元に返せとか言っているわけじゃない。せめて辺野古に新しい基地をつくることだけはやめて、と言っているのです。だけど私たちの声はヤマトゥ(本土)に届かない。残された手段は、もう工事を直接止めるための行動しかない。他人(ひと)任せではなく、自分がやるしかないんです」

 「自民党にも、昔はもっと歴史を肌で知る政治家がいました。戦争で沖縄に犠牲を押しつけた、という意識を心のどこかに持っていた。それがいまでは、歴史認識も配慮もない。基地を押しつけて当たり前という、ものすごく高圧的な姿勢が中央に見えます。沖縄の保守の人さえそう話す。これじゃあ付いていけない、と思う人が出て当然でしょう。政治が劣化しています」

 「ヤマトゥ離れの意識が、この2〜3年で急速に広がっています。もっと自治権を高めていかないと二進(にっち)も三進(さっち)もいかない、という自立に向けた大きなうねりが、いま沖縄で起きている。辺野古の海の抗議活動は、この地殻変動の一つの表れなんです」