「釣りバカ日誌15」を観た

釣りバカ日誌15


 何回目だろうか。
釣りバカ日誌15ハマちゃんに明日はない!?」を観た。
釣りバカ日誌」シリーズの中でも好きな一本。。

 同級生の、水産資源研究院の福本哲夫役の筧利夫と経営コンサルの早川薫役の江角マキコのやりとり。
 

 (福本哲夫)「そったら、自分をさげすむような言い方すんなよぉ。人生に勝ち負けなんてあるわけねぇべ」「バカくせい。いま結婚して子供を産むのがおなごの幸せだってか。それだば、このあたりのおばさんと同じだ」

 (早川薫)「言いたいこと言うな、君は」

 早川薫役の江角マキコは、方言で精いっぱいな感じが少し残念だが、本作品は、秀作。

 オスのハタハタの受精。ぴゅっぴゅっが、おかしい。
津軽三味線のオーセンティックな音楽のライブ感覚がいい。

 (福本哲夫)「夜が明ける頃には、なんだかおかしな気分になってしまって」

また別の場面。

 (早川薫)「でもいったい誰のためにこんなリストラ案が必要なんですか」
 (上役)「決まっているだろ。俺たちのためだよ」

これは落語だ。
 でも真実だ。


コンサルタント一般に対する鈴木社長の批判的な考え方に共感しつつ、コンサル一人ひとりの評価を個別におこなう分別には納得する。説得力がある。人間に対する評価というものは面白い。スーさんと鯉くんともやりとりも愉快だ。
 早川薫(江角マキコ)の“反乱”のあとの鈴木一之助社長が早川薫をランチをさそう対応。
 いいね。
鈴木社長は人格者だ。」「ま、ワインでもやって下さい」というセリフがいい。評価をいう場面はTPOが大事という好例。


 小津安二郎の「麦秋」に対するオマージュもすばらしい*1

 福本信子役の吉行和子がいい。


 「おかしな人って、飽きないから」という最後の決め台詞もいい。

 角館町田沢湖など、秋田県のロケ。なまはげ、じょんがらの三味線もいい。秋田はいいな。
 朝原雄三監督。

 2004年8月公開。

*1:早川薫の「わたしで構わない」は、泣ける場面だが、違う文化の人間はどう感じるだろうか。誤解はないだろうか。「釣りバカ日誌9」でも書いたが、同期の桜の男子が同性愛に誤解されるのと同じ危険性はないかということだ。