「野党、ぎりぎりで一本化=分裂自民は危機感」

 以下、時事通信 7月13日(水)21時24分配信から。

 東京都知事選の告示が目前に迫る中、民進党共産党など野党陣営は13日、ぎりぎりのタイミングで候補一本化にこぎつけた。出馬の意思を示していた元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)が土壇場で出馬を辞退。陣営はジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)の支援に全力を挙げる。一方、保守分裂選挙となる与党陣営は危機感を強めている。
 宇都宮氏は13日午後、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席。「現段階で出馬の意思は変わらない」と述べていたが、並行して鳥越氏サイドと一本化に向けた調整も続行。最終的に同日夜、合意に達した。
 10日の参院選東京選挙区に立候補した与野党候補の得票数を見ると、自民党2人、公明党1人で計約230万票。これに対し、民進党2人、共産、社民両党各1人の4人を足すと計約239万票で与党を上回る。
 宇都宮氏は過去2回の都知事選に出馬し、それぞれ90万票余を獲得した。これまで宇都宮氏を支援してきた共産、社民両党は今回、野党共闘を重視し鳥越氏支援を決めていたとはいえ、野党側が分裂すれば票は分散、与党陣営を利する可能性もあった。
 13日には、鳥越氏を支持する区議や市議ら有志が街頭演説。文化人らによる勝手連も発足し、支援の輪は広がりつつある。民進党幹部は「鳥越氏は浮動票を取り込んで勝てる」と期待を示す。
 これに対し与党側は、自民、公明両党が推薦する増田寛也総務相(64)と、自民党の推薦が得られなかった小池百合子元防衛相(63)の2陣営に分かれての選挙となり、焦りが募る。
 「野党側が割れてくれる方が良かった」(自民党中堅)と期待していた増田陣営は「鳥越氏が相手だと厳しい。顔が売れているというのは強い」(閣僚経験者)と警戒。小池氏周辺も「宇都宮氏が出てくれれば当選ラインが下がったのに」と残念がった。与党内には、増田、小池両陣営が保守票を食い合うことを懸念する声も出ている。