「文科省対応「おかしい」 加計文書、共有証言の現役職員」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2017年6月7日03時00分)から。

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)による獣医学部新設をめぐり、文部科学省内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたと記録された文書について、文科省の現役職員が朝日新聞の取材に対し、文書が省内の複数の部署で「共有されていた」と証言した。文科省は文書は確認できなかったと結論づけたが、これについて現役職員は「おかしいと思っている」と語った。

 文書については、民進党文科省内でやりとりされたメールに添付されていた可能性を指摘。朝日新聞も入手している。取材に応じた現役職員は「自分が見た文書、メールと同じで共有されていたものだ」と認めた。文科省の調査結果には「自分は(文書の存在を)知っていたから、大丈夫なのだろうかと思った」と疑問を呈し、「安倍政権の方針に反対ではないが、今回の政府の対応はおかしいと思っている」とも述べた。

 文書は「藤原内閣府審議官との打合せ概要(獣医学部新設)」。昨年9月26日の日付や、出席した内閣府の藤原豊審議官(地方創生推進室次長)と参事官、文科省専門教育課長、同課長補佐の4人の名前が書かれている。

 現役職員によると、翌日の27日に、専門教育課の職員から関係部署の十数人に「打合せ概要」が添付されたメールが送られた。文書には「平成30(2018)年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを」「官邸の最高レベル」などと記され、内閣府文科省獣医学部新設への対応を急がせたことがうかがえる。

 この文書や、民進党文科省に調査を求めた8枚の文書について、文科省は専門教育課の共有フォルダーだけを調べ、関係の職員7人に聞き取りをしたが、松野博一文科相は5月19日、「文書の存在を確認できなかった」との調査結果を発表したが、現役職員は「(獣医学部新設をめぐる)議論や手続きが尽くされていないから政府は文書を確認できないと言っているのではないか」と語った。

 菅義偉官房長官は6日の記者会見で、文書をめぐる証言について「文科省で検討した結果、文書の存否や内容の確認の調査を行う必要はないと判断している」と述べた。