「和歌山)日野原さん講演 「平和の種、子どものために」」

 以下、朝日新聞デジタル版(2016年11月24日03時00分)から。

 105歳の今もなお、精力的に講演活動を続ける聖路加国際病院(東京都)名誉院長の日野原重明さんが23日、「『いのち』の使い方」と題して和歌山市民会館で講演した。子どもに平和と愛を伝えることの大切さを繰り返し訴えた。自らが会長を務める「新老人の会」和歌山支部が主催。会場は約1400人の市民らでいっぱいになった。

 日野原さんは各地で起こる子どものいじめや自死について「大変なことが起きている。子どもたちに時間を捧げて、平和の種をまくことが大切」と話した。最近、小学校を訪問して話をして回っているという。

 一人ひとりの命を守るために欠かせないのは「互いに許し合うこと」だとし、「人間同士の争いで大切な命を失うことがあっては決してならない。あなたも自分の命を誰かのために、勇気をもって使ってほしい」と呼びかけた。

 戦争についても「二度と起こしてはならない」と語気を強めた。「ただ生きるのではなく、よく生きることが肝心。皆さんはこれからでも自分の生き方を変えられる。どうか、自身がハトのように飛び立って、平和のために行動してほしい」と語った。(森本大貴)