「ギャンブルより皇居ランに熱中 依存症回復へNPO支援」

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 カジノを備えた統合型リゾート(IR)を大阪市に誘致することに成功することを前提に、京都を訪れた観光客に来てもらおうと、京阪中之島線の延長構想を京阪電鉄の社長さんが発表したとの新聞報道を読んだ。
 横浜市長選挙でも、カジノを備えた統合型リゾート(IR)が争点となっている。
 ギャンブル依存症になった人に直接お話を聞いたことがあるが、ギャンブル依存症になった人たちは、ひとつには仕事が面白くないということがあると言っていた。
 それにしても、ギャンブルは法に触れる触法行為である。
 ギャンブルで経済効果をねらうというが、ギャンブルは期待するほど、経済効果はでないという意見がある。ギャンブルで儲けて、財を成した話も、めったに聞かない。そもそも、ギャンブルで身を破滅する人々を前提にした経済効果とは何なのか。
 外国人観光客目当てではなく、日本人中高年の預金を吐き出させることがねらいではないかという話も聞いたことがある。
 いずれにしても、ギャンブルが人間性を破壊し、家庭を崩壊に導くことは避けられない。

 以下、朝日新聞デジタル版(2017年4月18日13時07分)から。

 ギャンブル依存症からの回復を支援する認定NPO法人「ワンデーポート」(横浜市)が、回復プログラムにランニングを採り入れている。賭け事にのめり込んだ人たちが走ることに熱中。生活が充実して考えが前向きになり、体づくりにつながる「一石二鳥」の効果が出ているという。

 タッタッタッタッ――。4月上旬、東京・皇居周辺で、黄色いTシャツのランナーたちが足音を響かせていた。ギャンブル依存症の経験を持つ、ワンデーポートの入所者や元入所者だ。

 「自分でも不思議だが、マラソンでギャンブルが必要なくなった」。30代の男性会社員は、引き締まった顔に白い歯をのぞかせた。

 この男性は社会人2年目のとき、仕事のストレスから競馬にのめり込んだ。平日は職場のパソコンで地方競馬に賭け、土日は負けを取り戻そうと場外の馬券売り場へ。給料をつぎ込み、同僚たちにウソをついては金を借りた。人事担当者に問い詰められ、会社を休職。5年ほど前にワンデーポートに入所した。

 施設長の中村努さん(49)の勧めでウォーキングに取り組むうち、寮の仲間とランニングを始めた。「お互いの体が引き締まっていくのが楽しくて」。走る距離は延びていった。

 1年後に退所し、再就職後もランニングは続けた。平日は朝4時起きで走り、距離は月に約200キロ。フルマラソンは3時間半を切り、100キロのウルトラマラソンも完走した。男性は「マラソンで余暇と生活、仕事のバランスが取れるようになった。私のように物事にはまりやすい人にマラソンは向いている」。

 ワンデーポートが2000年に開設された当初は、自分の過ちと向き合うプログラムが中心で、ほぼ一日中、ミーティングを続けていた。だが、東日本大震災のボランティアなどで体を動かす機会が増え、ジムでのトレーニングを採り入れると、入所者が楽しんで通うようになった。中村さんは「ギャンブルに代わる上手な遊び方、楽しみ方が重要だ」と考え、ランニングを採り入れたという。


 (後略)


(工藤隆治)