「衆院選2017 小池氏 理念は? 「原発」「改憲」発言揺れ」

 以下、毎日新聞(2017年9月28日 東京朝刊)より。

 「しがらみのない政治を」「日本をリセットする」−−。27日の「希望の党」結党記者会見でそう強調した東京都の小池百合子知事は、過去に五つの国政政党に所属し「政界渡り鳥」と呼ばれてきた。政治理念が見えにくく、今回も都知事の立場で国政に挑む理由を、明確に説明をしているとは言えない状況だ。

 この日、希望の党は綱領に「深刻化する社会の分断を包摂する寛容な改革保守政党を目指す」と掲げた。小池氏もこれまでの講演などで「改革してこそ保守」と話してきたが、政治アナリストの伊藤惇夫さんは「具体的な政治理念が見えない」と疑問を呈す。また、「しがらみのない政治」とのキャッチフレーズについても「自民党との差別化に一番わかりやすい言葉だから、これまでも新党設立では必ず使われてきた」と指摘する。

 希望の党は、国政でどのような政策実現を目指すのか。小池氏は政策に「原発ゼロ」を掲げた。だが、2014年の前回衆院選では、毎日新聞の候補者アンケートに「原発は必要」と回答し、昨年7月の都知事選でも「安全の確保が第一」として、原発の稼働を前提とした発言をしていた。

 今回の政策に盛り込んだ背景には、小池氏と近く原発ゼロを主張する小泉純一郎元首相の存在が大きいとみられるが、新党に加わる議員の中には「原発必要論者」は多く、希望の党と連携する民進党の最大の支持母体・連合の主張とも食い違う。また、もともとは改憲論者だが、現段階では9条改正について、見解を述べていない。

 ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「小池氏の行動の原動力は、自分を閑職に追いやった自民党など国政へのリベンジで、都知事になったのもその手段にすぎない。今後はどのような国を造りたいのかマニフェストに示し、説明責任を果たすべきだ」と話す。

 テレビキャスターだった小池氏は1992年、翌年首相となる細川護熙氏が結党した日本新党から参院選に出馬し、政界に進出。衆院にくら替え後は、新進、自由両党で小沢一郎氏の側近となった。その後は保守党を経て、02年に小泉氏が率いる自民党に合流した。【関谷俊介、金森崇之、芳賀竜也】

 東京都議会定例会は27日、一般質問が行われ、同日午前に「希望の党」結党の記者会見に臨んだ小池百合子知事に対し、自民党から厳しい批判が出た。

 自民の菅野弘一氏は質問時間の最後に「都政には豊洲市場早期移転と築地再開発、2020年東京五輪パラリンピックの準備など、責任を持って取り組むべき多くの課題が山積している」と指摘。その上で「国政にも関与するという姿勢を疑問に思ったのは、私だけではない」と非難した。【柳澤一男】