「「ただ選挙に勝てばいいのか」 民進の希望合流に失望感」

 以下、京都新聞(9/28(木) 23:54配信)より。

 民進党前原誠司代表が、事実上解党し、小池百合子代表の「希望の党」に合流する意向を示したことを受け、既存の野党4党による共闘を呼び掛けていた京都の市民団体に失望や困惑が広がった。
 「安倍政権の改憲には反対しても、小池代表の下での改憲は許すのだろうか」。「安保関連法に反対するママの会」発起人の西郷南海子さん(30)=京都市左京区=は戸惑った。
 小池代表は自民党衆院議員時代、集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法に賛成し、改憲にも前向き。民進議員に「リアルな安全保障政策」を認めるかどうかで、「踏み絵」をするという。「安倍政権と、見せかけの反安倍勢力という構図になれば、安倍政権の乱暴な政治手法への是非、という争点がぼやけかねない」と心配した。
 候補一本化を京都の野党に求めていた「ユナイトきょうと」の事務局松本修さん(66)=山科区=も「小池代表は安倍首相よりも改憲に積極的。安倍政権を倒すなら何をしてもいいという考えには賛同できない」と落胆。「市民との連帯を捨て、ただ選挙で勝てればいいということなのか。希望の党共産党が競合しても、一本化を求めて運動するのは難しいだろう」と嘆いた。
 民進、共産ら4野党は昨夏、野党共闘を求める市民連合の提出した安保法廃止・改憲阻止の要望に合意していた。京都総評の梶川憲議長(58)は「安倍政権の退陣を求めるデモに(民進支持の)連合系組合員も参加し、連携が進んでいた。市民との合意はなんだったのか。怒り心頭だ」と語気を強める。
 若者の投票率向上に向けて活動するNPO法人「Mielka」(上京区)は、各党や候補の公約をまとめたサイトの立ち上げ準備を進めているさなか。スタッフの同志社大2年三輪功祐さん(19)=南区=は「希望の党から立候補する前民進議員が党の主張と違うことを訴えたり、危機感を抱いた自民候補が希望の党への批判ばかりすれば、有権者は誰に投票したらいいか、分からなくなる。日本の将来像を示し、争点が明確になるような論戦をしてほしい」と注文を付けた。