「結党会見詳報(1)「安倍政権の暴走に歯止めを」」(毎日新聞)

 以下、毎日新聞(2017年10月2日)より。

 枝野幸男官房長官は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると発表した。会見の詳報は以下の通り。
 枝野氏 私は日本の国民の生活の安心、立憲主義、民主主義社会をしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意した。この場を借りて、みなさんにご報告させていただくとともに、この立憲民主党を支えてもらって、この総選挙で安倍政権の暴走に歯止めをかける。安倍政権にストップをかける。そのために大きな役割を果たす。そうした力を国民のみなさんに与えていただく。そんな戦いを進めていきたいとみなさんに呼び掛けたいと思う。
 日本の国民生活は「一億総中流」と言われた時代から、格差が拡大し、貧困が増大し、そのことによって社会が分断され、「世界一安全」と言われていた治安にまで、「お互い様」という言葉に象徴されていた人と人とのつながりがどんどん壊れてしまっています。近代国家の大前提である立憲主義が破壊され、法の支配すら脅かされています。みんなで議論し、納得して物事を進めていくという、民主主義がおろそかにされています。共謀罪に象徴されるように自由な社会にもさまざまな危機が迫っています。こうした状況を変えていく責任、役割を果たしていかなければならない。そして、安心できる、立憲主義や法の支配、民主主義や自由、その中で社会の構成員がお互いに支え合い、お互いに認めあえる、そんな社会を作っていかなければならない。
 そんな思いで私は24年、国会で仕事をしてきた。民主党から民進党へという流れの中で、志を同じくする多くのみなさんと議論し、目指すべき社会像、理念、政策を積み重ねてた。今般の総選挙を前にして、さまざまな提起がなされ、動きがある。結論として残念ながら、希望の党の理念や政策は私たちが積み重ねてきた、私たちの目指す理念や政策の方向性とは異なるものだと判断をせざるを得ない。政治家にとって、理念や政策は何物にも代え難い、譲ってはならない筋だ。そして、これまでこの総選挙を目指して、地域の中で準備を進めてきた仲間が今回、どうしても選挙に出るなら無所属での出馬、あるいは残念ながら私から見れば、理念や政策が私たちとは異なる政党からの出馬を余儀なくされている。
 さまざまなプロセスの中で、いろんな批判をいただきながらも、私たちの目指すべきあり方、理念や政策の方向性について、期待して応援してくれたみなさん、期待をしたいという思いを抱きながら見守ってきたみなさんにとって、選択肢がないという状況になってしまっている。この間、多くの国民の皆さんから「枝野が立て」「その選択肢を作れ」という激励をいただいた。
 選挙に備えてきたのに、残念ながら、「このままでは戦えない」「共に作り上げてきた理念、政策を掲げて戦いたい」。そうした仲間の期待の声もいただいた。私はこうした声に応え、これまで民主党から民進党へ積み重ねてきた理念と政策の方向性をさらにブラッシュアップしながら、国民に訴え、国民の声を受け止める、そんな立憲民主党を結成することを決意した次第だ。この場を借りて、多くのみなさんに立憲民主党で共に衆院選を戦うことを呼びかけさせていただく。
 選挙はもう間もなくだ。残された時間は多くないが、私たちは国民に自信を持って政策と理念を訴えて、期待に応えていく覚悟だ。国民の理解と支援をお願いする。

 毎日新聞は、枝野氏の立憲民主党の「結党会見詳報」をシリーズで詳報している。
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/005000c
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/006000c
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/007000c
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/008000c
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/011000c