以下、朝日新聞デジタル版(2017年10月26日20時28分)から。
■麻生太郎副総理(発言録)
衆院選で、自民党は引き続き284議席をいただいた。衆議院(議員の定数)は(今回から)10議席減っており、占有率だと前よりはるかに良くなった。
いわゆる左翼勢力が3割を切った歴史はこれまで1回もない。今回は共産党と立憲だか護憲だか知らないが、あの政党が左翼との前提で計算して、社民党が2議席で(立憲民主党と共産、社民の合計で)69(議席)。(定数)465分の69。2割切った。明らかに北朝鮮のお陰もある。特に日本海側で遊説をしていると、つくづくそう思った。(東京都内での講演で)
たしかに今回の選挙で、自公は圧勝した。
しかし、その勝因は、自民党の強さというよりは、野党と市民の連帯を分断した野党とは言い難い攪乱と、小選挙区制度にあることは否定できない。さらにいえば、小池百合子氏・前原誠司氏のせいだとも言えるだろう。
今回、有権者で投票したのは、2人に1人にすぎない。
「朝日新聞が23日午後9時40分現在で集計した結果、自民党は289選挙区で2672万票を獲得し、得票率は48%だったが、議席では75%を占める218議席を獲得した。1議席を争う小選挙区制度では、第1党が得票率に比べて獲得議席数の比率が大きくなる傾向がある。今回も自民党の大勝を後押しした格好だ」。「投票しなかった人を含む全有権者に占める自民の絶対得票率は、小選挙区で25%、比例区で17%。自民に票を投じた人は選挙区で4人に1人、比例区で6人に1人だったが、結果として全465議席の6割を占めたことになる」(南日慶子)。
「安倍晋三首相の周辺は、「日本人は右が3割、左が2割、中道5割」と語っているという」と小熊英二氏が昨日の朝日新聞に書いていた。
「立憲だか護憲だか知らないが」という麻生副総理の言い方は強がりだろう。
いみじくも麻生副総理が心の内を吐露したように、憲法の精神と理念を擁護・発展させようとしている勢力、つまりは立憲民主党・共産党・社民党と市民の勢力に関心を払わざるをえないのだろう。
安倍総理は国難突破解散と言っていたが、北朝鮮という国難より、政権維持のほうに関心が高いというのが本音なのだろう。