「原発新設、議論着手へ=エネルギー計画見直しで―国民理解に課題・経産省

 以下、時事通信(12/3(日) 15:41配信)より。

 経済産業省は、原発の新設や建て替えの必要性に関する議論に近く着手する。

 2030年までの国の政策方針を定めた「エネルギー基本計画」改定に際し、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を踏まえた50年までの長期的視点を新たに盛り込む。温室効果ガスを8割削減する日本の目標に向け、二酸化炭素を出さない原発をどう維持するかが焦点となる。

 3年ごとの基本計画の改定検討を担う経産省の会議で先月28日、分科会長である坂根正弘氏(コマツ相談役)が「原子力地球温暖化問題の両面からアプローチしないと答えが出ない」と発言。「50年を考えながら30年の議論をしたい」とも語り、50年までの原発活用を議論する方針を示した。

 政府は電源構成に占める原発の比率を30年度に20〜22%とする目標を掲げている。30基程度が必要だが、原則40年の運転期間を60年に延長すれば、計算上は既存原発だけで達成できる。

 しかし、その後は全原発を60年運転しても50年度ごろに比率は10%程度にまで低下。再生可能エネルギーに安定性やコストの課題が残る中、温暖化目標達成には新設によって原発比率を維持するかが論点となる。

 経産省は当初、今回の計画改定は小幅にとどめ、原発新設には踏み込まない方針だった。だが有識者委員から検討を急ぐべきだとの意見が続出。来春から議論を本格化させる方向に転じた。

 ただ、原発の安全への国民不信は根強く、来年度前半とみられる取りまとめまでにどこまで議論が深まるかは不透明だ。