「阪神大震災から23年 「経験や教訓、次世代に継承を」」

 23年前、冬休みが終わって学校が始まってすぐのできごとだった。
 突然奪われた命。
 神戸に知り合いがいたので、安否が心配だった。
 助かったとしても、お風呂もトイレも大変だった。
 もらい湯が、人情がどんなにありがたかったか。庭のある家は、庭で用を足した。水洗トイレは全く役に立たなくなった。
 便利なものほど不便になった。
 アウトドアの道具が役に立った。
 以下、朝日新聞デジタル版(2018年1月17日06時57分)より。

 阪神・淡路大震災の被災地は17日、発生から23年を迎えた。6434人の犠牲者を悼む行事が各地で開かれ、遺族らとともに、震災を直接経験していない世代の若者も祈りを捧げ、記憶や教訓の継承を誓った。

 大粒の雨が降る中、神戸市中央区の東遊園地では午前5時から、「1・17のつどい」があった。「1995 伝 1・17」の形に並べられた約7千本の竹灯籠(どうろう)に火がともされ、市民らは発生時刻の午前5時46分に黙禱(もくとう)した。

 震災で次男秀光(スグァン)さん(当時20)を失った崔敏夫さん(76)=神戸市須磨区=が遺族を代表し、「息子の分まで頑張ることが私に与えられた使命」と述べた。

 久元喜造市長は「震災を知らない市民が増えていく中で、震災から得た経験や教訓をいかに次世代に継承していくかという課題に取り組む」と誓った。

 〈阪神・淡路大震災〉 1995年1月17日午前5時46分に発生したマグニチュード7・3の直下型地震で、震源地は兵庫県・淡路島北部。淡路島や神戸市、同県西宮市、芦屋市などで気象庁観測史上初の震度7を記録した。死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人に上り、全半壊した住宅は約25万棟。兵庫県内では震災直後、最大約32万人が避難した。被害総額は約10兆円とされる。