「文書改ざん「忖度はるかに超えた行為」 法大・小黒教授」

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以下、朝日新聞デジタル版(2018年3月16日21時2分)から。

聞き手・編集委員 駒野剛

法政大教授・小黒一正さんに聞く 財務省文書改ざん

 決裁文書の書き換えをしたうえに、国会に提出していたとは。かつて財務省の行政官として公文書を作成し、管理してきた経験を持つ者として、信じがたい異常なできごとです。その渦中にある近畿財務局の職員が命を絶った悲劇には言葉もありません。

 財務官僚も人間です。数字のミスや事実関係の訂正がないとは言えません。しかし、決裁文書を書き換えることはあり得ません。

 決裁後の文書を変更すれば、虚偽公文書作成など刑法上の罪に問われる可能性がある。そんな危険を冒すことは、よほどの圧力でもない限り、あり得ないことです。

 「忖度(そんたく)」の領域をはるかに超えた行為です。行政は国民の信頼の上に成り立ちますが、その基盤を破壊する恐れをはらむ、深刻な事態です。

 麻生太郎財務相は、書き換えは当時の理財局の一部の職員によって行われ、その最終責任者が佐川宣寿前国税庁長官であるとしています。国民から税を徴収する組織のトップが、信頼を毀損(きそん)する行為をしていたとすれば、そうした人の起用は適切だったのか、疑問がわかざるを得ません。

(後略)

1974年生まれ。京大理学部卒。97年大蔵省(現財務省)に入り、大臣官房文書課員などを経て、現職。