「杉田水脈議員に自民党が指導 「配慮欠く」と異例の見解」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年8月2日11時32分)から。

 自民党杉田水脈(みお)衆院議員(51)=比例中国、当選2回=が月刊誌への寄稿で、同性カップルを念頭に「子供を作らない、つまり『生産性』がない」などと主張した問題で、同党は2日、「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として、杉田氏に今後注意するよう指導したとの党見解をホームページに掲載した。同党が一般議員の問題発言をめぐり、見解を公表するのは極めて異例だ。

 自民党は当初、「寄稿文は議員個人としてのもの」と静観する構えだった。しかし、7月27日に党本部前で大規模な抗議集会が開かれ、今週末にも各地で抗議活動が予定されるなか、党の責任を問う声が高まり、釈明に追い込まれた。

 見解では、2016年に設置した「性的指向性自認に関する特命委員会」で党内議論を行い、「性的な多様性を受容する社会の実現」をめざし、「正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定に取り組んでいます」と強調。16年参院選と17年衆院選の公約に掲げていることも挙げた。

 その上で杉田氏の寄稿について「個人的な意見」と留保しつつ、不適切な「表現」があると認め、「今後、十分に注意するよう指導した」と明かした。党規約に基づく処分ではない。

 寄稿は7月18日発売の月刊誌「新潮45」が掲載。SNSでは「優生思想だ」といった批判が広がったが、杉田氏は自身のツイッターで、党内の「大臣クラスを始め、先輩方」から「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」「杉田さんはそのままでいいからね」と声をかけられたとし、「自民党の懐の深さを感じます」と投稿した(23日に削除)。

 二階俊博幹事長は24日の記者会見で「人それぞれ政治的立場、色んな人生観もある」と述べ、党として問題視しない考えを示した。しかし、石破茂・元幹事長や小泉進次郎・筆頭副幹事長が相次ぎ批判するなど、波紋が広がっていた。

 杉田氏は12年衆院選日本維新の会の公認で初当選。14年には次世代の党から立候補したが落選した。以前から今回と同様の主張を公然と繰り返していたが、自民党は昨年の衆院選で公認。比例中国ブロックで比例単独候補の最上位とされ、当選した。(二階堂友紀)